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24歳以下は85歳以上よりも事故件数が多い
だが、より詳細にデータを検証すると、別の姿が見えてくる。
<原付以上運転者(第1当事者)の10万人当たり交通事故件数の推移>(単位:人)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
65歳以上 588.0 547.9 523.1 483.3 441.9
―以下、各年齢層別―
65~69歳 510.5 488.9 478.4 438.4 399.1
70~74歳 597.6 545.4 497.6 458.6 413.3
75~79歳 662.0 600.8 581.8 533.3 495.1
80~84歳 740.0 683.8 630.5 604.5 546.7
85歳以上 811.3 744.1 712.2 645.9 616.0
全年齢層 620.9 577.5 543.5 494.1 435.5
16~19歳 1888.8 1822.2 1649.9 1489.2 1251.4
20~24歳 1144.9 1070.1 979.7 876.9 754.5
25~29歳 814.1 752.7 697.4 624.0 528.0
以上より、65歳以上の10万人当たり交通事故件数は年々減少していることがわかる。特に、全年齢層の平均件数と比較するとわかるように、74歳以下の高齢者は全年齢層を下回る事故件数となっている。
では、29歳以下の年齢階層別の件数をみてみると、すべての年齢層で全年齢層を上回る事故件数となっている。特に24歳以下は85歳以上よりも事故件数が多く、事故を起こす確率が高いということだ。以下は、65歳以上の運転免許保有者数の推移だ。
<65歳以上の運転免許保有者数>(単位:人)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
1710万0846 1768万0387 1818万3894 1863万4865 1885万1637
高齢化の進展とともに、65歳以上の運転免許保有者は増加の一途をたどっており、今後も増加が続くだろう。一方で“若者の免許離れ”がいわれるように、若年層では免許保有者数が減少している。
それでも、74歳以下の高齢者の事故件数は少なく、“優良ドライバー”であることがわかる。高齢者と一括りにするのではなく、事故発生件数の多い年齢層である24歳以下や、75歳以上という対象を明確にした上で、きめ細やかな対策を取っていく必要があるのではないか。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)