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タイの医師は、イブプロフェンはほかの鎮痛・解熱剤より副作用が強いので注意が必要だと述べており、一方、米国の当局は「めったにない副作用で、100万人当たり2~3人ほど」と説明しています。どちらの見解が正しいのでしょうか?
米国では、政府機関が公開しているホームページ上に詳細な情報が掲載されていて、副作用としては心臓病、血栓症、胃潰瘍、胸やけなどが稀にある程度だとしています【注2】。
日本国内で厚生労働省が行った調査でも、ロキソニンSに比べて、イブプロフェンの副作用の発現頻度は約半分で、服用した人のおよそ1.5パーセントに胃腸障害や眠気が認められるだけです【注3】。調査期間中に重症として報告されたのは1例だけで、症状も神経麻痺というものでした。
激しい皮膚症状は、稀な副作用と考えてよさそうです。ただし、ワーファリンという薬を病院から処方してもらっている人、重い貧血、心臓病、膠原病、血液の病気がある人、妊娠中の女性は、医師に相談してから服用するのが絶対条件です。
報じられたタイ人女性の場合、特異体質だったのか、あるいはタイ人にそのような体質の人が多いのか、詳細は不明です。またタイだけで発売されている市販薬もあるため、何か別の成分によるものだった可能性も否定できません。
(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)
参考文献
【1】「イブプロフェン」に関する薬一覧[市販薬](231件), QLIFE.
【2】https://www.nhs.uk/medicines/ibuprofen-for-adults/
【3】イブプロフェンのリスク区分について, 厚生労働省医薬食品局.
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