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たかぎこういち「“イケてる大先輩”が一刀両断」

ユニクロが目標にしたGAPが倒産危機…カジュアル志向加速で老舗アパレル破綻ラッシュ

文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師
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 4月23日、GAPのカトリーナ・オコンネルCFOは今後12カ月の事業継続に必要な資金が不足する恐れがあると警告し、起債による資金調達に加え、人員削減や設備投資先送りなどが必要になる可能性があるとした。また、バングラデシュの縫製品製造業・輸出業協会(BGMEA)によると、GAPの春夏物、秋物の約30億ドル(約3,230億円)分の発注がキャンセルか保留になっている。

 米国最大の商業施設所有企業サイモン・プロパティは、3月から6月にかけて6590万ドルの家賃を支払わなかったとして、GAPを訴えた。サイモン・プロパティは三菱地所と日本初の大型プレミアムアウトレット施設を2000年7月に御殿場に開業した、米国最大の不動産会社のひとつである。GAPは主要店舗としてアウトレット施設の入口のベストプレイスに大きな面積を与えられている。これは、米国でも同じ条件である。

 そしてGAPの20世紀のままの化石のようなMD政策、魅力のない商品力に改善は見られない。

2.英国紳士を起源とする文化、スーツスタイルの崩壊

 英国では1953年創業の生活雑貨ブランド、ローラ・アシュレイが3月に破綻。かわいい花柄で急成長したことで知られるキャス・キッドソンも英国内の全店舗を閉鎖し、2015年9月に設立された日本法人は65億円の負債で自己破産を申請した。世界的に洋服のカジュアル化がますますスピードを増して進んでいる。

 英国の上流階級の服飾文化を原点とするメンズのスーツスタイルは、これまで世界中のビジネスマンの共通の服装であった。しかし国内でも団塊世代の引退、家庭の衣料出費の低下、政府主導のサマースタイル推奨等で、主要スーツ量販店の業績も縮小が続いている。世界中でもこの傾向は顕著であり、ビジネススーツを中心とするアパレル企業はこの解決策にさまざまな挑戦を続けている。

 英国を代表するブランド、ハケット・ロンドンの動きをみてみよう。

 1983年、英国ロンドン・チェルシーのキングスロードにジェレミー・ハケットが第1号店を創業したのがハケット・ロンドンの始まりだった。92年、アルフレッド・ダンヒル傘下で英国スタイルの象徴ブランドとして大きく飛躍した。90年代にはイングランドラグビーチームの公式スポンサーとなる。しかし、2005年にイギリスのジーンズ会社ペペジーンズに買収された。

 13年、ハケット・ロンドンはサッカークラブ「チェルシーFC」のオフィシャルサプライヤーとなり、19年にラグビーチーム「ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ」の公式プレミアムウェアメーカーとなった。19年6月から21年7月までのツアー・南アフリカにおける3年間のパートナーシップを提携する。

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