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村井英一「お金の健康法」

コロナ経済対策の裏で財政悪化深刻、消費再増税の検討も…近年の赤字削減努力が吹き飛ぶ

文=村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー
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 2019年度末での日本の政府の債務残高は897兆円でしたが、今の段階で2020年度末には964兆円にも膨らむ見込みです。政府ばかりでなく、地方自治体の債務も増加が予想されます。コロナ対策に加え、東京都ではオリンピック関連の支出も増えるでしょう。地方自治体の債務と合わせると、債務残高の対GDP比は250%近くにまで上昇するのではないでしょうか。

すぐに信用不安が起きる心配はないけれど

 では、かつてのギリシャのような状況が日本でも起きてしまうのでしょうか。新型コロナの感染が収まったら、今度は政府の信用不安が起きるようでは先が思いやられます。

 日本国政府が破たんするというところまで至らないにしても、市場関係者が政府の返済能力に不安を感じるようになると、日本国債が売られ出します。すると、国債の利回りが上昇し、それは融資や住宅ローンなどの他の金利にも影響を及ぼします。景気が悪い中での金利上昇が起きると、さらに景気が冷え込み、新たな恐慌のきっかけになりかねません。

 ただ、今までも信用不安が起きてもおかしくないぐらいの債務残高でしたが、日本国債が暴落することはありませんでした。日本国債のほとんどは日本人が購入しており、日本政府に対する信頼があったからです。

 国際収支統計で見ると、近年は貿易収支の黒字は小さくなっていますが、海外投資から上がる利益が国内に還流しています。日本人は海外で資金を稼いでおり、日本国債を購入する資金は潤沢にあります。当面は、日本国債の暴落や信用不安に陥る心配はありません。

 しかし、将来的にはわかりません。日本人がいつまでも海外で利益を上げられるとは限りませんし、日本人自体が日本政府を見限らないとも限りません。そうなる前に、日本政府は財政の立て直しに着手しなければなりません。コロナの収束後には、そう遠くないうちに消費税の再度の引き上げが議論されることになるでしょう。

(文=村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー)

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23:30更新
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