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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

中国、報じられない「ウイグル族」強制収容所・強制労働の闇…100万人に洗脳教育か

文=相馬勝/ジャーナリスト
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日常茶飯事な海外メディアの締め出し

 いずれにしても、中国の最高指導者がイスラム教徒の徹底弾圧を命じているのだから、それを批判的に報じれば、そのメディアは当局から徹底的にマークされて中国から追放され、その後は再入国するのは難しいだろうことは容易に想像がつく。実際、ウルムチ駅爆破襲撃事件が起きた約1年半後の16年1月、中国のウイグル族に対する政策を批判的に報じた北京駐在の仏誌記者に対して、中国外務省は記者証の更新には応じられないとして、事実上の国外追放措置を実施したのだ。

 さらに、ウイグル族に関する機密文書を報じたニューヨーク・タイムズも、このところの米中対立のあおりを受けたかたちだが、ワシントン・ポストやウォールストリート・ジャーナルとともに、事実上の国外退去処分を命じられている。また、ウイグル族寄りの言論を発表している日本の大学の研究者が北京国際空港の税関で入国を拒否された例もある。

 かりに、日本のメディアならば、中国に入れない、あるいは中国から追放されることがわかっていながら、ニューヨーク・タイムズのように当局の逆鱗に触れるような記事を報道するかどうか。少なくとも及び腰になるだろうことは間違いない。日本のメディアにとって、良くも悪くも中国のニュースは極めて重要なだけに、それが現地から報じられないとなれば、自己規制するなというのは酷であるかもしれない。

 筆者も産経新聞の記者時代、中国での取材ビザが拒否されたことは一度ならずあった。香港支局長時代も中国大陸に入るビザの発給を拒否されたこともあり、広東省深センの駅で入国を拒否され、香港に引き返さざるを得ないこともあった。

 その後、一時期、中国では報道機関への締め付けが緩和されたこともあったが、習近平指導部が発足して再び報道規制が強化されている。同時に、少数民族対策や対米関係、さらに領土・領海問題をめぐって近隣諸国との関係なども厳しさを増している。一連の中国の態度の硬化は、習主席の暗殺未遂事件とも関係しているのではないかと邪推したくなるほどである。

(文=相馬勝/ジャーナリスト)

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