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木下隆之「クルマ激辛定食」

キグナスが虚偽広告、ガソリンのオクタン価とは?レギュラーとハイオクを間違うと壊れる?

文=木下隆之/レーシングドライバー
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 だが最近はレース仕様でも、一般で販売されているハイオクガソリンを使用する。それでも600馬力、700馬力にも達するレース用エンジンが24時間レースにも耐えてしまうのだが、オクタン価へのこだわりは低くなった。キグナスの表示ミスは、そんな時代の間隙を突いた不正だったのかもしれない。

 そもそも、ドライバーにとってオクタン価の違いは、意識することができるレベルなのだろうか。筆者は首を横にふりたい。ハイオク仕様車にレキュラーガソリンを注いでも、すぐさま車両が故障するわけではないし、出力の違いを感じるドライバーは少ないだろうと思う。

「ガソリンスタンドの従業員に『ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを給油すると壊れますよ』と言われましたが、本当でしょうか?」

 そんな質問を受けることも少なくないが、答えは「否」だ。出力低下に目をつぶるならば、すぐさま故障の原因になるわけではない。

 それよりもむしろ、給油によって重量が増すことのほうが体感的な負荷が高い。ガソリンタンクが空の状態で給油所に飛び込み、満タンにする。およそ大人1人分の重量がガソリンタンクに注がれる。それによる加速の悪化に包み込まれてしまう程度の出力低下である。

 もちろん、プレミアム仕様にはハイオクガソリンを給油することを推奨する。だが、それを間違ったからといって深刻になる必要はない。キグナスの表示ミスは褒められたことではないが、少なくともクルマにとっては大きな負荷ではない。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

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