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小谷寿美子「薬に殺されないために」

当面、総合感冒薬の服用は避けたほうがよい理由…特にイブプロフェン配合は要注意

文=小谷寿美子/薬剤師
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総合感冒薬が使いにくくなってきている

 新型コロナウイルスが蔓延する以前は、病院では風邪の患者に対して総合感冒薬を使って症状を抑え体力を温存するという方法を勧めてきました。しかし米国食品医薬品局(FDA)は、イブプロフェンなどの解熱鎮痛薬の使用により、新型コロナウイルス感染症が悪化する可能性があるとの新規報告を把握しているそうです。FDAはこの問題をさらに調査しており、今後の発表が待たれています。

 以前、本連載で書きましたが解熱鎮痛薬は転写因子を増やす作用があります。この転写因子により炎症性サイトカインと呼ばれる物質が大量生産されます。炎症性サイトカインは病原微生物と闘うためにつくられるのですが、薬により大量生産すると総攻撃を始めます。総攻撃した場所で炎症を起こし組織を破壊します。

 何が起こるかわからない現在、イブプロフェンを含む総合感冒薬を控えたほうがよいと私は考えています。のどの痛みにはうがい薬、鼻の症状には点鼻薬といった外用薬を使いながら、つらい症状を抑えていくのが今のところ得策と考えています。

 それでも薬を飲みたいという方のためにイブプロフェンを含まない総合感冒薬を紹介しておきます。「パブロンSゴールドW」です。「パブロン」シリーズは似たような名前が多いので注意してください。副作用が出なかった方が98.4%と多く、安心して使えます。気道粘膜のバリア機能を改善する薬が2種類配合されています。粘膜をきれいにする「アンブロキソール」と修復する「カルボシステイン」が原因となる微生物の排泄を促します。そして解熱鎮痛薬の「イブプロフェン」が入っていないのがポイントです。12歳以上から服用できます。

「パブロン」シリーズでもう一つ紹介します。それが「パブロン50」です。漢方の「麦門冬湯」が配合されています。さらに痰切り成分を配合しバリア機能を改善します。こちらも「イブプロフェン」が入っていないのがポイントです。こちらは眠気を起こす成分がゼロなので、眠くなっては困る方に適しています。

 次に「エスタック総合感冒」です。「エスタック」シリーズも種類が多いので、注意が必要です。バランスよく風邪の諸症状を抑える成分が入っています。5歳から飲める安心設計です。しかも小粒の錠剤です。もちろん「イブプロフェン」は入っていません。

  風邪は自宅で治せる場合はそうしましょう。持病のある方は「かかりつけ医」に電話で確認をして医師の判断に従ってください。

(文=小谷寿美子/薬剤師)

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