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カール教授の超入門ビジネス講座

ウーバー、中核事業をウーバーイーツへ転換…飲食店、店内飲食からデリバリーへ転換必至

文=平野敦士カール/株式会社ネットストラテジー代表取締役社長

 もともとウーバーは6月にグラブハブを買収しようとしたものの失敗していました。そのグラブハブはオランダを拠点とするジャストイートテイクアウェイによる73億ドルの買収に同意していると報道されています。なお、ドアダッシュの時価総額は約160億ドルとなり、2年前の2018年のときから10倍に跳ね上がったことは前回お伝えしたとおりです。

 このようにウーバーは新型コロナの流行によって個人間でのライドシェア(日本では白タクと見なされて違法)が減少したことから、成長しつつあったウーバーイーツを買収によって一気に経営の中核に持っていく経営戦略なのではないかと思われます。

 前回も述べたようにアメリカのフードデリバリー市場は、現在の350億ドルから2年間で760億ドルに成長し、2030年までに現在の約10倍の3650億ドルに達すると予想されているためです。

 この波は新型コロナの感染拡大が続けば、日本にも来るかもしれません。ウィズコロナ時代には飲食店においてもソーシャルディスタンスといわれる一定の距離を置くことが求められるため、最大でもかつての半数にまで顧客数が減少する可能性がある以上、存続するためには、テイクアウトやデリバリーを強化せざるを得ないからです。

 前回もご紹介した「ゴーストキッチン」「クラウドキッチン」などの新業態の登場も予想されますが、飲食店で働いていたものの新型コロナで失業した方を受け皿にして、地域特化型デリバリープラットフォームを担う会社が登場する可能性があるのではないでしょうか。

ウォルマートは15年遅れでサブスクを開始予定との報道

 一方、アメリカ小売最大手のウォルマートは、新しいサブスクリプションサービス(有料会員サービス)である「ウォルマート+(プラス)」(年会費98ドル)を7月後半にも始めるとの報道がありました。

 アマゾン・ドット・コムが2005年に始め、1億5000万人を超える有料会員サービス「アマゾンプライム(年間119ドル)」に15年遅れで対抗する狙いです。

 会員の特典としては、食料品や雑貨の同日配達、ウォルマート系列のガソリンスタンドでの燃料割引、セール品への優先アクセスなどがあるようです。さらには動画配信も検討中とのことですから、まさにアマゾンがAmazon Goを始めたりホールフーズマーケットを買収したりしてスーパーマーケット市場に攻め込んできたことへの反撃といえるでしょう。

 ちなみにアマゾンプライム会員の年間支出額は非会員の2倍以上といわれており、一度会員になれば継続率も高いため、いかに有料会員化が重要かがわかります。

 ウォルマートは車から降りずに生鮮品等を持ち帰れるグローサリー・ピックアップを展開しており、ガソリンスタンド併設のものもあります。ウォルマートのネット通販売上は、今年の2~4月期は74%増と急増したものの、いまだアマゾンの8分の1程度と報道されています。またウォルマートで買い物をする人の半数はアマゾンプライム会員でもあるというデータもあり、「アマゾン離れ」も指摘されるものの、今後どこまで会員数を伸ばせるかが注目されます。

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