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就職氷河期、再来の兆し…採用人数半減ラッシュか、キャリア描き勉強した学生に“地獄”

文・構成=編集部、協力=溝上憲文/労働ジャーナリスト
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 「減らす」というのは業績が悪い企業です。航空、飲食、アパレル、宿泊というコロナの影響を受けた企業です。しかし6月時点で「未定」が17社もあったことも異常な状況でした。採用活動の慣例では「3月に会社説明会が解禁になり、6月に選考開始」ですから、「6月の段階で未定」というのは、企業が迷っていたことの証左です。「採用をゼロにはしないまでも、減らすかどうかを考えている」ために「未定」だったということです。

 大手企業各社は7月中に採用活動を終えると思われます。例年だと6月に終わっていましたが今年は、コロナを理由に3月に入って合同就職説明会などが全部中止され、企業説明会が延期になりました。急遽、オンライン説明会と面接に切り替えたので、6月に決まる予定だったのが7月に延期になったともいえますが、いずれにしてもDISCOも朝日新聞も全体の3割が採用への影響が出ていることを示しています。

今年は「売り手市場」の転換点、来年は「買い手市場」に

――昨年まで新卒大学生が有利の「売り手市場」でした。

溝上 一つのメルクマールとなるのが新卒求人倍率です。これによって「売り手市場」か「買い手市場」を見極めます。2020年卒は、リクルートワークス研究所の調べでは1.83倍でした。1.6を超えると「売り手市場」、それを下がると「買い手市場」になります。2009年のリーマンショックで落ち込んでから求人倍率は一貫して9年連続で伸びてきました。今年は同じくらいと予測されていました。

 「下がっても1.7代後半」といわれていたのですが、先ほどのDISCO、朝日新聞の調査からもわかる通り、3割が影響を受けていることからも求人倍率は間違いなく下がるでしょう。リクルートワークス研究所は例年4月にこの数値を発表しているのですが、今年は各社の採用動向が流動的なこともあり、今月下旬に発表するとしています。企業が迷っていて、正確な数字の把握にいたっていないということです。僕はおそらく1.6を切って、売り手市場と買い手市場のはざまになるのではないかと考えています。

 あと注目されるのは、中小企業がどうなるのかということです。多くの中小企業の採用はストップしています。オンライン化できない企業も相当数あり、ほぼ4~6月で選考が止まっているところがあります。例年だと、中小企業は大手の前に内定を出します。

 ところが今年は、半分くらいがオンラインに対応できずに大手企業に先行されてしまいました。それでも採用する企業は来年の春まで伸びるのではないかと思われます。

企業側だけでなく学生もコロナの影響で「天国と地獄」に二極化

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