「実証実験の第一ステップのモニター数は計200名ほど。スマホであれば、車内でも周囲や加害者に悟られずに通報することができます。検証に協力していただいたモニターの反応や要望などを踏まえ、さらに実用化に向けて、効果的な改良を進めているところです」(JR東日本の広報担当者)

冤罪が増加する懸念も

 痴漢被害者が声を出さずに通報できる画期的なアプリが実用化されれば、これまで以上に痴漢を検挙しやすくなることは間違いないだろう。しかし、一方で気になるのが「冤罪」被害だ。

 近年、メディアで盛んに取り上げられるようになった「痴漢冤罪」。身に覚えがなくても「痴漢」として捕まってしまうと、身の潔白を証明するのが難しい。スマホの痴漢通報アプリは、その手軽さゆえに“いたずら”が発生する可能性もあるのではないだろうか。

「アプリを悪用した『いたずら』による通報が懸念されますが、インストールする際には個人が特定できる情報を登録していただきます。ユーザー情報の登録により、悪用は防げると考えております。今後、本格的に実用化する際は、ほかにも対策がないか検討していきたいと考えています」(同)

 通報アプリが痴漢の抜本的解決につながるのか、それとも新たな“トラブル”の火種となるのか。実用化に向けて、注目が集まりそうだ。

(文=藤野ゆり/清談社)

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