「これは明らかにおかしい。新潟で何かあったんでしょう。従来、オービスは三菱電機と東京航空計器がシェアを分けていたのですが、三菱は撤退を決めました。おそらく、『東京航空計器はダメ』と新潟県警が怒るようなことがあったのではないでしょうか。

 今まで話していたのは固定式オービスについてですが、可搬式オービスといって移動できるオービスがあります。この4月に、東京航空計器のものであろう可搬式オービスの予算を、撤回したということがありました。いったん付いた警察予算を撤回するというのは普通ではありえないことで、新潟日報でも戦後初だと報じています。取り締まり件数0の背景には、東京航空計器と県警とのトラブルがあったのではないかというのは、そこからも読み取れる気がします」

警察のやる気次第?

 鹿児島(設置2台)、鳥取(設置2台)、高知(設置1台)も、取り締まり件数は0だ。鹿児島の場合など、隣県の熊本の取り締まりは140件(設置10台)である。

「1つ考えられるのは、ドライバーがスピードを出しやすい、警察から見たら取り締まり件数を稼ぎやすいドル箱路線があって、そこにオービスを多く設置したり、取り締まりも強化しているということがあるかもしれません。

 それと、やる気の問題もあるのだろうと思います。オービスで取り締まると、いちいちドライバーを呼び出して出頭させて、処分の手続きを取るわけです。その体制がしっかりしているところと、そんなめんどくさいことはやらなくていいというところと、各都道府県の警察によってかなり大きなばらつきがあるように見えます。

 警察庁の指導で、各1台はオービスが設置されているわけですが、運用の仕方がかなり違うのでしょう。埼玉県警は体制を拡充してがんばっているということは聞いています。確かに昨年の埼玉の取り締まり件数は1827件(設置10台)で、神奈川の180件(設置6台)、千葉の283件(設置8台)を大きく引き離しています。一方、裁判を傍聴していて知ったことですが、奈良県警では、オービスの担当は警察音楽隊が兼務していて、月の半分は演奏に出ている状態だったのです。現在もそうなのかは、わかりませんけど」

移動式オービス

 ここまで固定式オービスについて聞いてきた。三脚の上に載る装置で、ちょっとした道路脇にも設置できるのが、可搬式オービスだ。移動式オービスと呼ばれることもある。これによる昨年の取り締まり件数は、東京が58件(5台)、大阪が20件(1台)と固定式オービスの件数とは逆転している。可搬式オービスについてのデータも、今井氏が警察庁から入手したものだ。ちなみに固定式オービスも可搬式オービスも、台数については年度末時点のもの、取り締まり件数については昨年中のものである。

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