矢崎拓也(広島東洋カープ)

 2人目は、16年のドラフトで広島に1位指名を受けて入団した矢崎拓也だ。広島ファン以外の人からすると、「矢崎?誰?そんな選手いたっけ?」となる可能性大だが、実はプロ入りしたときの名字は“加藤”で、18年のシーズン前に結婚、その際に奥さんの名字を選択したため、“矢崎拓也”になった。

 そんな矢崎は大学時代、慶応義塾大学のエースとして神宮を沸かせ、大学通算24勝(12敗)、奪三振数も309をマークしている。また、4年の秋にはノーヒットノーランも達成したほどの実力。

 広島入団後は最速153キロを武器に先発、リリーフどちらもこなせる力投型右腕として期待された。その期待通り、プロ初登板初先発となった17年4月7日の東京ヤクルトスワローズ戦は9回1死まで無安打無得点に抑え、初勝利を挙げる鮮烈なデビューを飾った。

 しかし、3年間で手にした勝利はこの1勝のみ。18年は1軍での登板はなく、昨年は1軍に昇格したものの、わずか5試合の登板で勝ち負けなし、防御率も5.63と、まったく振るわなかった。

 結局、実働2年で12試合に登板し1勝3敗、通算防御率4.58は、かつての神宮のスターからすると正直、期待はずれもイイトコだろう。

 それでも、17年は29回1/3を投げ28奪三振、19年は8回を投げ11奪三振と、三振を奪えるのが最大の魅力。課題は制球難で、今季はオープン戦の成績も登板わずか1試合で防御率18.00と、壊滅的だった。矢崎にとってまさに今年は背水の4年目となっている。

相内誠(埼玉西武ライオンズ)

 3人目はある意味、違う角度からの“がっかり”である。その選手とは、埼玉西武ライオンズに12年のドラフト2位で入団した相内誠だ。

 相内は千葉国際高校(現翔凛高校)時代に甲子園出場こそならなかったものの、“房総のダルビッシュ”との異名が付けられたほどの速球が武器の本格派右腕。その将来性を見込んでの指名だったのだが、なんと仮契約後に問題を起こしてしまう。無免許運転とスピード違反で警察に摘発されてしまったのだ。これにより高校からは無期限謹慎処分、球団からは入団手続きの一時凍結が発表された。

 その後、学校側の謹慎が解除されたことや本人の反省具合も考慮され、翌13年3月に球団側は入団凍結の解除を発表し、相内は晴れてようやくチームの一員になった。ただし、年俸は当初予定されていた700万円から630万円に減額。さらに同年3月末から9月までは千葉県の家庭裁判所による保護観察処分を受けていた。

 本家のダルビッシュも、日本ハムファイターズ(現北海道日本ハムファイターズ)との契約後に、喫煙やパチンコ店への立ち入りなどが明るみに出て無期限停学の処分を受けたのち、プロ入りして活躍した経緯があるので、相内もこれで反省していればよかったのだが、さらに問題を起こしてしまう。入団2年目の14年1月に、未成年ながら飲酒喫煙していたことが発覚してしまったのだ。2年続けての“やらかし”に、球団側も黙って見過ごせるワケもなく、相内に対し6カ月間の対外試合出場停止、夜間外出禁止、ユニフォーム着用禁止などの処分を課したのであった。

 その処分が解けたのが7月下旬で、同年9月には一軍登録され、プロ初登板初先発も果たしている(2回2/3を投げ、4失点で敗戦投手)。そこから昨シーズンまで1軍では計21試合に登板しているものの、まだ念願の勝ち星を挙げるには至っていない(通算成績は0勝7敗で防御率は10.05)。

 それでも昨季はファームでチームトップの14試合に先発し、防御率2.87を記録している。崖っぷちに追い込まれている今季は、果たして1軍のマウンドで躍動できるのか、注目である。

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