田中正義(福岡ソフトバンクホークス)

 4人目は福岡ソフトバンクホークスの右腕・田中正義である。“ジャスティス”という愛称でご存じの方も多いだろう。

 田中は創価大3年時の15年6月末に行われたユニバーシアード代表とNPB選抜との対戦で、NPB選抜から7連続奪三振をマーク。さらに秋の東京新大学野球連盟のリーグ戦でノーヒットノーランを記録するなど、最速156キロを誇る超本格派右腕として、16年のドラフト会議最大の目玉とされていた。同年6月ごろの一部スポーツ新聞では、12球団競合の可能性も指摘されていたほどだ。

 当日はさすがに全球団からの1位指名はなかったものの5球団が競合し、抽選の結果、福岡ソフトバンクホークスへの入団が決まった。ここまでは良かったのだが、なんと入団早々のキャンプで右肩に違和感を覚えるなど体調不良が続き、昨年までの3シーズンでわずかに11登板のみ。ドラフト前の即戦力投手という触れ込みはどこへやら……。これまでの主な通算成績は14回1/3を投げて被安打19(うち被本塁打6)、0勝1敗15奪三振で防御率は8.16という散々な成績に終わっている。

 今季は大卒4年目となる田中にとって、まさに正念場で勝負の年。昨年は2軍で25試合に登板し、防御率1.80と好成績をマークしているだけに、ドラフトで5球団競合した本格派右腕の真の実力を発揮したいところだ。

佐々木千隼(千葉ロッテマリーンズ)

 最後の5人目は、前述した田中正義が5球団競合し、その田中の抽選に外れた4球団とほか1球団が“外れ1位”で指名したスリークォーター右腕である。抽選の結果、千葉ロッテマリーンズが交渉権を獲得した佐々木千隼がその人だ。なんと、外れ1位指名選手としてはドラフト史上最多となる“5球団からの再指名”という快挙を達成した。

 その決め手となったのが、桜美林大4年時春秋の首都大学野球リーグで記録した年間7度の完封である。これは東海大時代の菅野智之(読売ジャイアンツ)に並ぶ快挙だったのだ。最大の武器ともいうべき最速153キロの直球とシンカー、スライダーをはじめとする6種類の変化球を武器に、プロ1年目から開幕直後の北海道日本ハム戦でプロ初登板初先発し、見事に初勝利を挙げている。

 だが、その後は“プロの壁”にぶち当たり、7月上旬の試合で7敗目を喫し、二軍落ち。1年目は4勝7敗の防御率4.22という成績で終えることになった。2年目はケガ→手術→リハビリで1軍登板自体がなかった。3年目となる昨シーズンも右ヒジに受けた手術開けということもあり、わずか7試合の登板で2勝1敗、防御率2.53にとどまっている。

 結局、通算成績は過去3年間でわずか22試合登板、6勝8敗、防御率3.76という、ドラフト時の快挙で話題になった注目の逸材右腕にしては、かなりもの足りない結果となっている。今季は、年間を通して1軍の戦力になり続けることが目標となってくるだろう。

 以上の5人が“がっかり大谷世代”の選手である。しかも、なんの偶然か、すべて投手ばかりとなった。果たしてこのなかから、今シーズンついに“目覚める”選手は何人現れるのだろうか。藤浪の復活と合わせて期待したい。
(文=上杉純也/フリーライター)

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