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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」

内閣参与と農水次官OB、企業から豪華クルーズ船接待…筋金入りの金権政治家・西川公也

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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ロビイストとしての官僚OB

 さらに、残りの2人も元職とはいえ、十分に実力者だ。本川氏は畜産を所管する生産局長などを歴任し2015年に事務次官の座を射止めた。その後は、菅義偉官房長官による異例の人事により、農協改革などを主導してきた同期入省の奥原正明氏に一年もたたない16年に次官の座を追われたものの、17年7月から今年2月までJA全農の経営管理委員を務め、今年3月1日から農水省所管の「ドル箱」である日本中央競馬会(JRA)の副理事長に就任している。大野氏も中央畜産会の統括参与を務め、昨年からは日本食肉格付協会の会長に就任している。

 現在の日本では、官僚OBが出身省庁の後輩である現職に強く働きかけるロビイストの役割を果たしていることは、「現代ビジネス」の『天下りを「知っているのに報道しない」マスコミと記者クラブの罪』で報じた。元次官ともなれば、次官をはじめとする省内人事にまで強い影響力を保持し続けるため、ときに企業側が政治家以上に重視する相手になることはいうまでもない。

西川氏は次の衆院選が正念場

 元職の国会議員とはいえ、安倍政権のアドバイザーとして政府に影響力を持つ西川氏と、農水省OBによる業者側との癒着関係を確認したところで、肝心の西川氏は衆院議員としてカムバックできるか正念場を迎えているようだ。

 西川氏は地元栃木2区での選挙が弱いことに頭を悩ませてきた。14年の衆院選挙では当選したものの、小選挙区ではなく比例復活。さらに、17年の衆院選では自民党全体では圧勝したにもかかわらず、比例重複しなかったため落選している。全国紙政治部記者は西川氏の自民党内の立場についてこう解説する。

「西川氏はTPPを大筋合意に導いたなどの功績から、17年の落選後も安倍総理から内閣官房参与としてメシを食わせてもらってきたが、自民党は『選挙に勝てない奴はダメ』という文化。いくらベテラン議員でも小選挙区で2回も負けるようでは、次回の選挙で公認候補にしてもらえるかは相当微妙だ」。

 ある自民党関係者もこう話す。

 「とにかく西川氏は地元に帰って政治活動する回数が少ないと評判だ。帰った時の演説内容もTPPや日米貿易交渉がどうのと『国際問題』を語ることが多いが、地元にとってはそんな大きな話はどうでもいい。それより公共工事だの補助金だのそういう身近なところの話をもっとやってほしいわけで、そりゃ選挙も弱いはずだ。自民党の部会や勉強会でも現職でもないのに議員席に座ってひんしゅくを買っていたこともあり、カムバックするためのハングリーさを出してほしいというのが後援者の本音だろう」。

 金権政治家としてブレない西川氏だが、次の選挙で勝てなければ、70代という高齢もあり政界の現役プレーヤーとして活躍するのは難しいだろう。カネも大事だが、ブレないまともな政治信条こそ持ってほしいものだ。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

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●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)
Kyuzo Matsuoka
ジャーナリスト
地方紙勤務を経てフリーに。マスコミの経営問題や雇用、農林水産業など幅広い分野をカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは @kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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