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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

元の顔がわからないほど腫れる…チャドクガ幼虫被害が大量発生?毒針毛が飛散で衣類付着

文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

北島 いえいえ、チャドクガには、背面にある毒針毛叢生部(どくしんもうそうせいぶ)と呼ばれる部分に、毒性のある針の形状をした毒針毛がまとまって生えています。近縁のドクガは毒針毛が中空で、そこに毒性分があるとされていますが、チャドクガも形状的にはドクガと同じタイプになります。毒針毛は小さい毛虫では0.05mmから0.1mm程度、大きくなると0.15mmから0.2mm程度に成長しますが、とても小さく肉眼では見ることができません。

――チャドクガの毒の成分は?

北島 毒性分としては、アレルギーを起こすヒスタミンが含まれているとされていますが、明確にはわかっておりません。『Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎』(著:夏秋優/学研メディカル秀潤社 )によれば、「チャドクガによる皮膚炎は、毒針毛の物理的刺激や化学的刺激によるものではなく、毒針毛が刺入されて中の毒液が皮膚に侵入し、その毒性分に対する感作が成立することによって生じる」とあります。感作が成立というのは、簡単にいえば、毒性分に対してかぶれるなどの反応をする体質になるということです。反応の程度は個々人で異なり、また体の大部分に皮膚炎の症状が出ると発熱することはあるようです。

――発熱だけではなく、「吐き気や胸が苦しくなるというようなアナフィラキシーに似た症状を起こした患者もいる」という医師もいます。アナフィラキシーとの関係はどうですか?

北島 現時点では、チャドクガによる被害が他のアレルギーと相乗して酷くなるかどうかは、わかりません。ですので、まったく起こらないと明言をすることはできません。

――蛹から成虫に成長する過程で毒針毛はなくなりますか?

北島 成長してもチャドクガの毒針毛が付着しているので、被害を及ぼします。チャドクガは数回前後の脱皮をして成虫になりますが、脱皮殻に毒針毛が付着していることもあります。毛虫に直接触れることはもちろんですが、葉に付着した毒針毛に触れても皮膚炎を発症します。土中のマユや卵の表面にも毒針毛が付着しているので、これらに触れても皮膚炎を発症します。

――3メートルほど離れたら刺されないという造園家もいますが、本当でしょうか?

北島 毒針毛は幼虫の体から離れやすく、先ほど申し上げたように非常に小さく軽いため、風で飛ばされます。3メートル離れれば毒針毛が飛んでこないとは言い切れないと思います。また、飛ばされた毒針毛が皮膚に直接ついた場合はもちろん、衣類や布団に付着した毒針毛を触っても皮膚炎を発症します。毒針毛の本数も最初は700本程度ですが、チャドクガがすっかり成長したころには40万から50万本程度と多くなります。

――想像するだけでもぞっとします。チャドクガは飛べるんですか?

北島 毛虫は樹上の枝や葉の上を歩いて移動しますが、飛ぶことはありません。10匹前後から約30匹単位で集団を組み、葉を食べる習性があります。集団がばらけたり、集団の構成数が少ないと発育が悪くなることが知られています。このため、個々の幼虫が積極的に移動することは少ないと考えられます。

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