高橋祐介「楽しいゲームの話だけさせてくれ」

『ゴースト・オブ・ツシマ』世界的ヒットの勢い…書かずにはいられない圧倒的魅力

(C)2020 Sony Interactive Entertainment LLC.

 ちなみに本作には「黒澤モード」なる、映像を白黒映画調にするモードが存在しますが、これを使うと画面の雰囲気が一変します。白黒の映像にプレイヤー自身が思い描く色彩を投影しつつプレイできるようになるため、それまでエキゾチックに感じていた目の前の世界が、よく見知った時代劇の世界に見えてくるのです。

 本作の独特の映像美は、関わった多数のクリエイターたちが心血を注いでつくり上げたもののはず。それを惜しげもなく白黒にできてしまうのは、彼らの黒沢映画や時代劇に対するリスペクトが「本物」である証でしょう。筆者もまた、この作品を手掛けたクリエイターたちに、最大限の敬意を払いたくなりました。それは、本作についての記事を書きたくなった理由のひとつでもあります。

 『ゴースト・オブ・ツシマ』が描き出した対馬は、ストーリーを終わらせた今も、いつまでもこの島にとどまり、旅を続けたくなるような魅力を備えたものでした。オープンワールド作品の最大の魅力は、プレイヤーが思いのままに旅を楽しめること。その観点から見ても、本作は本当に素晴らしいプロダクトです。

 そしてこれほどの作品をプレイしてしまうと、今度は日本人の感性でまとめあげられた、世界を唸らせるクオリティの「侍ゲーム」(カタカナでサムライではなく)を遊んでみたい気持ちも沸き上がってきます。幸い、『ゴースト・オブ・ツシマ』はかなりのヒット作となりそうで、和の世界で侍体験ができるゲームへの需要の高さを証明しました。

 PlayStation 5やXbox Series Xといった次世代機の発売もいよいよ数カ月後に迫ってきたわけで、それらが普及した近い将来、そんな傑作をプレイできることを期待しつつ、本稿を締めくくらせていただきます。

(文・写真=高橋祐介/ライター、ゲーム目利き)

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