高橋 ですよね。ところが今、 SNS の発達により「数万リツイートされている」「あの著名人がリツイートしている」といったところでデザインが判断されがちなのは、とても大きな問題だと思っています。というのも、ロングセラーになるデザインは、発売当初はあまり受けなかったりもするんです。前編で触れたキッコーマンの醤油瓶も、発売当初は異質なデザインだったと思います。

――企業が今のSNSの数字を見てデザインの判断をするようになれば、ますます「今のリツイート数」に引きずられたデザインになってしまうでしょうね。もう、すでにそうなっているところも多分にあるでしょうけれど。

高橋 自分の好き嫌いを大切にしてほしいですね。私は、新大阪駅や御堂筋線のトイレがとてもきれいで好きです。

――私も、この街ならこのトイレ、と好きなトイレがあります。トイレは毎日使うものですから、違いが露骨にわかりますよね。こうして考えると、デザインは何も難しいものでもなく、私たちはデザインに囲まれて生活していますね。

高橋 はい。たとえば今、自粛生活が続いていますが、ファイルの色を統一してみるとか、そんな小さなデザインの工夫をするだけで暮らしやすく、快適になりますよね。

――日常生活でも、センスを磨く場はいくつでもありますよね。

 次回は引き続き、高橋氏にデザインに必要な「個」の力について聞く。

(構成=石徹白未亜/ライター)

『GOOD DESIGN FILE 愛されつづけるデザインの秘密』 「あの商品はなぜ、人々の心をつかむのか?」 サントリー角瓶、無印良品、ポッキー、iPhone、コカコーラ、シャネルスーツ、キッコーマン醤油ほか、あらゆるジャンルから選出した47の商品・ブランドに、フルカラーのイラストとともに迫る! amazon_associate_logo.jpg

関連記事

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ