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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

マイナポイント手続き“わかりにく過ぎる”…別の決済サービスに変更不可、賢い家計管理法

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー

 政府が発表している2020年度のポイント付与の予算枠約2000億円。これを5000円で割った先着枠は4000万人となるが、この規模の先着枠が早々に埋まるとは思えない。みなさんには、ゆっくりキャンペーンの内容を吟味し、決済方法を選択されることをお勧めしたい(ただ、筆者が早々に決済方法を決めてしまったのは理由があり、それは後述する)。

管理が難しいのは「お金の流れがわかりにくい」から

 一般的に、キャッシュレスのメリットは多額の現金を持ち歩くことが不要で、支払いがスマート&スムーズにできる。ポイントやさまざまなキャンペーン特典が受けられる。家計簿アプリと連携すれば、お金の管理がしやすいなどがある。

 その一方で、お金をつかっている感覚が希薄になりがちで、つい使い過ぎてしまう。支払い能力以上の消費を生じやすい。セキュリティやカード盗難、スキミングなど安全性の問題や、PCやスマホ、タブレットなどデジタル端末の操作になじみがないor苦手なシニア世代の場合、利用が難しい決済方法もある等がデメリットである。

 とりわけ、キャッシュレスに関してご相談が多いのが「どのように家計管理をすれば良いかわからない」ということだ。キャッシュレスの家計管理が難しい最大の理由は、お金の流れがつかみにくい点である。

 たとえば、クレジットカードの場合、使用した日と口座と引き落としになる日の間には数カ月のタイムラグがある。いずれを家計簿に反映させるかがバラバラだと、家計全体の収支がわからなくなってしまう。

 また家計簿アプリで銀行口座やキャッシュレスの情報を集約させておけば便利だが、自動的にデータがアップされるものとされないものがあり、後者は自分で記録・入力が必要だ。いくらキャッシュレスが普及したといっても、まだまだ現金しか使えないお店やサービスは少なくない。決済方法が混在しているので、すべてを把握しようと思うと、結構な手間ヒマがかかる。その上、毎月、手元の現金残高と家計簿の数字が合わないで四苦八苦する人もいるのではないだろうか。

キャッシュレス時代の家計管理法は?

 そこで、お勧めしたい家計管理方法は、次の3つである。

(1)利用するキャッシュレスを絞る

(2)使い過ぎ防止はいったん生活費を現金化することで解消

(3)こまめに管理して支出を“見える化”する

 それぞれ、詳しく説明しよう。

(1)利用するキャッシュレスを絞る

 自分の行動範囲を踏まえて、「クレジットカード・デビットカード」「電子マネー」「QRコード決済」の3つのうち、それぞれ1~2種類に決済方法を絞ることである。

 選ぶポイントは、還元率、チャージの手間、ポイントの種類・使いやすさ、利用できる店舗数など。たとえば、楽天スーパーポイントやTポイント、dポイントなど、代表的なポイントを軸に選ぶのも一手だろう。もちろん、3つのうちどれか1つだけでも良いが、スマホ決済ができるものに限定すると、端末故障や電池切れなど、肝心の場合に使えないことも考えられる。また、クレジットカードを使ってQRコード決済にチャージすれば、1回の買い物でポイントの二重取り、三重取りも可能だ。

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
https://www.naoko-kuroda.com/

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