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夫婦関係が壊れるきっかけに…男が知らない「産後クライシス」の正体

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※画像はイメージ(新刊JPより)。

 出産後に妻の様子が変わり、自分に対して冷たくなったと感じる夫は少なくない。

 やたらとイライラしたり、自分に対して素気なかったり、良かれと思ってやったことが逆に怒りに火をつけてしまったり…。

 夫である男性は、そんな妻の変化が受け止められない。出産前後で女性はホルモンバランスが変化すると聞いたことはある。でも、人が変わったような目の前の妻に対してどう接していいのかわからない…。

■夫は妻の産後の変化を楽観視してはいけない

 これが、出産を境に夫婦に亀裂が入る「産後クライシス」の一端だ。

 産後クライシスとは、妊娠や出産によって起こる身体やホルモンバランスの変化に伴って産後の母親に起こる精神不安や産後うつが原因で、夫婦関係や社会関係に影響を及ぼすこと。

 産婦人科医の東野純彦氏は著書『知っておくべき産後の妻のこと』(幻冬舎刊)で、産後の女性に起きるドラスティックな変化について指摘。パートナーとなる男性側にこの変化への理解を促している。

 妊娠中の女性は、胎盤からエストロゲンという女性ホルモンが大量に分泌され、このホルモンのはたらきによって授乳のために乳房が大きくなったり、出産に向けてお尻周りに皮下脂肪がついたりと、出産して母親になるための準備が始まる。

 しかし、出産が終わると胎盤は体外に出るため、エストロゲンは急激に下がる。この変化によって女性には「眠れない」「元気がでない」といった症状があらわれる。これが「マタニティブルーズ」である。

 朝笑顔だった妻が、仕事を終えて帰宅すると大泣きをしている。どうしたのか聞いても「理由はないけど、涙が止まらなくてすごく不安」と泣き続ける。夫からすると、「気分にムラがあるな」と感じるが、本人のなかではとてつもない葛藤や心の嵐が吹き荒れている。このマタニティブルーズは産後の女性のうち約3割が経験するという。

 ただ、基本的にマタニティブルーズは2週間ほどで自然に収まる。問題は、2週間経っても症状が治まらない場合。本書では、こうしたケースは「産後うつ」の可能性があるとしている。

 もう一つ、男性側が知るべきは「オキシトシン」というホルモンの存在だ。エストロゲンが出産後に急激に減る一方で、オキシトシンは分娩の時に最も分泌され、産後も授乳中など我が子と密着してゆっくり過ごしている間によく分泌される。

 このオキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれ、この分泌によって、女性には「母として、子どもを愛し、守っていこう」という気持ちが芽生えるが、同時に母親の攻撃性を高めてしまう作用もある。「子どもの世話をしようとしているのに、妻が嫌な顔をする」という場合、このオキシトシンのはたらきによるものである可能性がある。

 産後の女性にこうした大きな変化が起こる一方で、男性側にはこうしたホルモンの変化は少ない。結果、産前とは別人のような妻が理解できず戸惑ったり、妻とのコミュニケーションがうまくいかなくなったり、ということになりがちだ。

 ただ、この時期に夫がどう妻に寄り添うかは、その後の結婚生活を左右する。場合によっては離婚につながることもあるからこそ、男性は産後の女性に起きる変化について理解することが重要になる。

 本書で明かされている産後の女性に起こる変化は、多くの男性が想像するよりもはるかに大きいはず。いつまでも妻に愛される夫でいるために、男性が本書から得られるものは多いはずだ。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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