NEW
木村隆志「現代放送のミカタ」

『SUITS』『竜の道』『MIU404』…バディものに偏る最大の理由は保守的なマーケティング

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
【この記事のキーワード】

, , , ,

『SUITS』『竜の道』『MIU404』…バディものに偏る最大の理由は保守的なマーケティングの画像1
SUITS/スーツ2 – フジテレビ」より

 7月30日、『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)の最終話が放送された。同作はチームの活躍を描いた前シリーズから、島崎章(木村拓哉)と高梨雅也(斎藤工)にフィーチャーしたバディものに一変。ぶつかり合いながらも信頼を育む2人の姿で人気を集めていた。

 その3日前にあたる27日には、コロナ禍で放送中断していた『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)が再開。さらに、2日前にあたる28日には、放送延期していた『竜の道 二つの顔の復讐者』(カンテレ・フジテレビ系)がスタートした。

 つまり、バディものが1つ終わって、新たなバディものが2つスタートしたことになる。さらに、現在放送中の『MIU404』(TBS系)、『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)、加えて8月6日スタートの『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)もバディものであり、プライムタイムに放送されるドラマの約半数を占めている。

 なぜ各局ともに、これほどバディものに偏ってしまうのか? その狙いと不安、そして現実を掘り下げていく。

2人分の人気でシリーズ作にしやすい

 バディもの最大の魅力は、「2人の異なるキャラクターを描ける」「2人の人気俳優に演じさせられる」こと。

 好青年とヤンチャ、熱血とクール、楽観主義と悲観主義、肉体派と頭脳派など、「対照的なキャラクターの2人が協力して事件解決していく」という大筋は明快かつ痛快だ。さらに、2人の人気俳優を並び立てることで、両者のファンに視聴してもらえる上に、好みの細分化に対応できる。

 実際、『BG』なら木村拓哉と斎藤工、『SUITS/スーツ2』なら織田裕二と中島裕翔、『竜の道』なら玉木宏と高橋一生、『MIU404』なら綾野剛と星野源、『未満警察』なら中島健人と平野紫耀、『未解決の女』なら波瑠と鈴木京香。2人のファンを合算したら、それなり以上の人数が期待できる。バディものはどんなに実力があっても、人気のない俳優では意味がないのだ。

 また、俳優サイドから見ると、「主演の重圧や責任感を2人で分散できる」など、バディものはリスクヘッジになる。近年は「○○○○主演の『○○○○』第3話は1.2%ダウンの7.5%」などと、まるで主演に責任があるかのような書き方で低視聴率を報じるネットメディアも少なくない。それだけに芸能事務所としても、「大切な所属タレントを守る」という意味でバディものは歓迎なのだ。

 もう1つ重要なのは、『相棒』(テレビ朝日系)を見ればわかるように、バディものは「シリーズ化しやすい」こと。個人の人気にバディとしての人気が加わるため、安定して2桁視聴率を獲得できるシリーズ作になりやすい。

 これは裏を返せば、「バディものではなく、3人以上のチームものにすると、キャスティングの難易度が上がってしまう」ということ。たとえば『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)は、山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未とメインキャストが軒並み主役級になり、スケジュール・報酬・脚本調整などの点で超えるべきハードルは高く、バディもののようにはいかないのだ。

『話しかけなくていい! 会話術』 「話がうまい人」になる必要はない。無言でも、ひと言でも、人に好かれるための画期的コミュニケーション術! amazon_associate_logo.jpg
『嵐の愛され力~幸せな人生をつかむ36のポイント~』 嵐に学ぶ人から好かれる、人を好きになれる人間力の磨き方。明日から使える36個の“○○力”。年齢・性別を問わずマスターできる。 amazon_associate_logo.jpg
プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ