NEW
片田珠美「精神科女医のたわごと」

なぜ医師は知人女性に同意得ず堕胎術を施したのか?女性の心身を深く傷つける堕胎

文=片田珠美/精神科医

 ときには不倫相手の妻を巻き込んで大騒動になり、事件につながることもある。たとえば、昨年5月、JR熱海駅の構内で、交際していた男性の頬をカッターナイフで切りつけたとして、“熟女グラビアアイドル”の岩本和子さんが傷害容疑で逮捕された。岩本さんは、被害者の男性と不倫関係にあり、この男性との間にできた子供を堕胎した翌日に犯行に及んでいる。

 しかも、この男性は妊娠を告げられても「認知しない」の一点張りで、男性の妻からも「堕ろしてくださいね」と言われたという。そのため、すでに妊娠5カ月をすぎていたにもかかわらず、堕胎術を受けたらしい。

 女性の心身を傷つける堕胎術を受けたことが、岩本さんの犯行につながった可能性も考えられる。そのためだろうか、不起訴処分が下され、岩本さんは病院の閉鎖病棟に約3カ月間入院し、昨年11月に退院している。

 どうしようもない事情で堕胎するしかなく、同意書にサインした女性でも、術後に「お腹の中の子供を殺してしまった」と後悔し、喪失感と罪悪感にさいなまれることはある。まして、今回、藤田容疑者が無断で堕胎術を施した被害者の女性は、自分が承諾してもいないのに、胎児を失ったわけで、傷は一層深いだろうし、「許せない」という思いも強いだろう。この女性への十分な心身のケア、そして藤田容疑者への厳罰を切に望む。

(文=片田珠美/精神科医)

関連記事