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絆會が解散を撤回するも脱反社に向けて動き出す…幹部組長らが続々と引退の理由

文=山口組問題特別取材班
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絆會から出されたといわれる伝達文(ぼかしは編集部)

 すでに一部のメディアでは取り上げられているが、8月11日、絆會(旧名「任侠山口組」)が組織関係者に対して、ある伝達を出したとみられ、一時物議を呼んだというのだ。

 まず、その前兆となったのは、これまで絆會で若頭を務めていた四代目真鍋組・池田幸治組長が、真鍋組の解散届と自身の引退届を、拠点を置く兵庫県尼崎市の警察署に提出したことだろう。

 「確かに、絆會の激震ぶりがはっきりと表面化するのは、真鍋組の解散、池田組長の引退がきっかけだったかもしれない。なにせ池田組長は、絆會結成以来、織田(絆誠・絆會)会長のもとで常にナンバー2の立場にあった。その池田組長が引退しただけではなく、率いた組織まで解散させたのだ。絆會内部で相当なことが起こっているのだろう。ただ、そうした動きは今回に始まったことではない。絆會では、真鍋組が解散するまで、内部で“解散派”が存在するのではないかとする説が流れており、現に絆會そのものを解散させる方向でも話し合いが進められていた側面もあったようだ。しかし、その解散がはっきりと撤回された。そこには、解散後は六代目山口組サイドに移籍を予定していたり、カタギになることを決意していたりといった派閥と、解散を撤回し、これまで通り絆會を運営していくことを希望する派閥との間で意見の異なりがあったのではないか。実際、それ以降、絆會から六代目サイドに移籍した勢力がいくつか出てくることになった【参考「六代目山口組系権太会がさらなる拡大」】」(業界関係者)

 そうした中で、拡散されることになったのが、冒頭でも触れた伝達文のようだ。

 「口頭伝達」と記されたこの文面には、新執行部として五役体制(若頭、舎弟頭、統括委員長、本部長、若頭代行)を執ることと、最高幹部5人の組長らの名前が表記されている。

 ただ、注目すべきはそこからだった。伝達文には、《脱反社先発隊》として、これまで絆會で執行部を務めた前出の池田組長をはじめ、4人の幹部組長らが引退し、最終目標としている脱反社の具現化を遂行する、と綴られていたのだ。さらに文面は続き「絆會全体の脱反社(解散)から、表と裏の役割を分担し《全体》から《同時進行》に切り替えます」と書かれているのだ。

 この文面について、ある関係者はこのように語る。

 「そもそも絆會の解散が検討されたのは、脱反社を目指してのこと。つまりこのまま反社会的勢力とみなされていては、法的規制の中でまともに飯を食っていけない。そのために、ヤクザ組織としての枠組みを外すことが検討されていたと思われる。要するに、組織として存在していなくとも、生き様として、ヤクザが目指すべき男になることはできるというわけだろう。ただ、結局はその道を選ぶことは撤回された。それでも、若頭や本部長を務めていた組長らは、一足早く自ら引退し、率いた組織を解散させ、脱反社を図ることを選択したわけだ。ただ、それを絆會執行部が『脱反社先発隊』として記してしまえば、引退や解散をいくら警察当局に対して表明しても、実態としては認められにくくなるのではないか」

 つまりは、引退した組長らも「脱反社先発隊」という役割をもった絆會関係者として、これまで同様、当局からは反社的な扱いを受けかねないのではないかと指摘しているのだ。

 確かにヤクザを辞める際、これまで当局に付けられていたヤクザの組員を示す「Gマーク」を外すことが必要とされる。それには、本人が「ヤクザを辞めた」と言うだけではだめで、そのための手順を踏まなければならないのだ。その手順とは、自ら所轄の警察署へ出向き、ヤクザを辞めて今後、渡世の道を歩まないことを書面として提出、表明し、それが事実であることを当局サイドに認めてもらわなければならないのだ。そこから、俗にいう5年ルールが始まる。これは、引退してから5年間は、ヤクザ同等の扱いを受けることになると広く認識されているものだが、それについてヤクザ事情に詳しい法律家はこう解説する。

 「5年ルールは確かに存在しますが、必ずしもその期間、現役の組員同様に、銀行口座を開設できない、賃貸契約も結べないかといえば少し違います。これは、元組員と契約を結ぶ銀行や企業側が、引退後5年以内の人物に対しては、契約を断る権利を有するというもので、元組員が本当にヤクザから足を洗い、真面目に働いていることを証明できば、5年という期間に関係なく、一般人と同じ生活を送れますし、そういうケースはいくらでも存在しています。逆にいえば、5年を過ぎても、反社会的勢力との繋がりを疑われ、口座を作れない元組員もいます。要するに本当に更生できているか否かが問題であり、その更生とはヤクザ社会から完全に足を洗っているかということです。ただ、今回のように、脱反社のために幹部組長らが引退という形を取ったということを、絆會の現執行部が語るのは、今後、本当に脱反社を目指す人たちには、足枷になる可能性もあるのではないでしょうか」

 要するに、あくまで5年はひとつの目処であり、個人によって違うとこの専門家は指摘している。そうした中で、さまざまな運営方法を取り入れながら、脱反社を目指す絆會。今後もこれまでのヤクザ社会にはなかった新たな試みを試していくのではないだろうか。
(文=山口組問題特別取材班)

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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