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小谷寿美子「薬に殺されないために」

“リモートし過ぎ”で疲れ目には「赤い目薬」を買うべき…買ってはいけない目薬とは?

文=小谷寿美子/薬剤師
“リモートし過ぎ”で疲れ目には「赤い目薬」を買うべき…買ってはいけない目薬とは?の画像1
「gettyimages」より

 中国・武漢由来の新型コロナウイルスが発見されてから、どこでもリモートで画面を見ることが増えてきました。テレビをつけても「リモート」の画質が悪い映像を見ることになり、仕事においても「リモート」で会議をすることが出てきています。薬局でも「リモート」で服薬指導を行っていいことになっていますが、残念ながら私が勤務している薬局には設備がないので行ったことはありません。今後はこうした設備も薬局の課題となることでしょう。

 薬剤師は知識を更新するために研修を受けるのですが、オンライン研修ばかりです。生身の人間を見ている時と違って、画面の人間を見ていると目が疲れます。人間を見ているようでも実際に見ているのは「画面」ですから。かくいう私もコロナウイルスが流行する前とはいえオンライン研修の講座を撮影していたので、自粛中にたまたま私の映像を視聴して目が疲れた方もいることでしょう。

疲れ目の原因は毛様体筋の緊張

 目の中に「毛様体筋」という筋肉があります。これはレンズの厚みを変えるための筋肉です。近くを見る時はこの筋肉が緊張します。そうすると筋肉がレンズを引っ張ります。その結果レンズは厚くなり、焦点を近くに合わせることができます。一方、遠くを見る時は毛様体筋が緩みます。そうすると引っ張る力がないので、レンズは薄くしぼみ、遠くに焦点を合わせることができます。

 しかし、パソコンの画面を見る時は30cmくらいの近距離で見続けることになります。生身の人間で30cmの距離に顔があると、よほど親しい人でない限り拒否反応を示すでしょう。しかし、パソコンの画面では30cmでも気持ち悪くならないですし、スマホに至っては5cmくらいの距離で画面を見ることになります。近くを見るためには、それだけ毛様体筋は緊張し続けます。目の筋肉は意識して休ませられないので、そこに画面がある限りずっと緊張を続けて疲れてしまいます。

疲れ目対策

 厚生労働省は2019年7月に「情報機器作業における労働衛生管理のガイドライン」を策定しました。これは旧ガイドラインを大幅に見直して新しいガイドラインとしてつくられたものです。

・1日の連続作業が長時間にならないようにする

・一連の作業が1時間を超えないようにする

・その作業中に小休止を1~2回入れる

・さらに次の作業に移る時は10分~15分の休憩を入れる

・画面と目の距離は40cm以上空ける

 ほかにも健康診断の実施など細かい規定はたくさんあります。人間の集中力は1時間、どんなにがんばっても2時間で切れてしまうので、1時間作業をして10~15分休むというのは理にかなっています。

ビタミンを取ることが疲れ目に有用

 ビタミンB12は赤い色をしているので「赤いビタミン」と呼ばれています。通常の食生活で不足することはあまりないので、ビタミンCのように強く推奨することはありません。そのため知らない人が多いと思います。

 しかし、画面を見ることが増えている現在は必要な量が増えているので、相対的に不足しがちです。ビタミンB1、B6と協力して神経の伝達を正常化する働きがあります。ビタミンB1は神経にエネルギーを与える、B6は神経伝達物質をつくる、B12は神経を修復する、といった働きがあります。これら3つのビタミンが助け合って神経を正常に保っています。目の神経の働きが鈍ると、情報伝達が鈍るので脳は見えていないと判断して視力が低下します。

 よってビタミンB1、B6、B12の3つの成分が入っているビタミン剤が医薬品として発売されています。「アリナミン」をはじめ各社発売されているので、みなさんもお世話になっているかもしれません。

 ビタミンAも目には大切なビタミンです。網膜に「ロドプシン」という物質があり、これが光情報を受け取っています。ロドプシンはレチナールとそれを支えるアポ蛋白質からできています。レチナールはビタミンAを原料にしてつくられるので、ビタミンAが不足するとレチナールが不足してしまいます。ビタミンAは脂溶性ビタミンで蓄積できるので、大量に取ると副作用が出やすくなります。そのためβ-カロテンのかたちで飲んでおくと、必要に応じて体が勝手にビタミンAに変換してくれるので、副作用の心配はなくなります。

 目薬も効果的です。ビタミンB12は毛様体筋に働きます。直接筋肉にも働きますし、毛様体筋を動かすための神経にも働きます。この神経の修復をしてくれるのでスムーズに筋肉へ指令が伝わります。ビタミンB12は「赤いビタミン」ですから、赤い色の目薬を買えばよいです。

 しかし、注意しなくてはならないことがあります。ビタミン以外の成分、たとえば充血を抑える目的で「塩酸テトラヒドロゾリン」を加えている目薬があります。疲れ目だけでしたら、この成分は不要です。目の血管を収縮させる効果があるのですが、不必要に収縮させると反動でさらに血管を広げてしまいます。血管が広がると充血の症状が表れます。疲れ目で使っているはずが、充血がひどくなるといったことになりかねません。

「ソフトサンティアひとみストレッチ」は血管収縮成分が配合されていませんし、さらに防腐剤もないので目にやさしく、かつしっかりと疲れ目を取ってくれる薬です。

(文=小谷寿美子/薬剤師)

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

薬剤師。NRサプリメントアドバイザー。薬局界のセカンドオピニオン。明治薬科大学を505人いる学生のなか5位で卒業。薬剤師国家試験を240点中224点という高得点で合格した。
市販薬も調剤も取り扱う、地域密着型の薬局チェーンに入社。社歴は10年以上。
入社1年目にして、市販薬販売コンクールで1位。管理薬剤師として配属された店舗では半年で売り上げを2倍に上げた実績がある。

市販薬、調剤のみならずサプリメントにも詳しい。薬やサプリメントの効かない飲み方、あぶない自己判断に日々、心を痛め、正しい薬の飲み方、飲み合わせを啓蒙中。

Twitter:@kotanisumiko

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