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吉澤恵理「薬剤師の視点で社会を斬る」

おぎやはぎ・小木博明が罹患した「腎細胞がん」とは?男性に多い?再発の可能性は?

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
おぎやはぎ・小木博明が罹患した「腎細胞がん」とは?男性に多い?再発の可能性は?の画像1
おぎやはぎ(「プロダクション人力舎HP」より)

「『まさか自分が』という有名な言葉を、皆さまにお送りしたいと思います」

 この絶妙なコメントとともに、腎細胞がんが見つかったことを告白したお笑いタレントの小木博明(おぎやはぎ)。働き盛りの48歳という年齢にも、衝撃を受けた人が多かったに違いない。

 小木は腎臓細胞がんのステージ1。治療に専念し、9月の復帰に意欲を示している。腎細胞がんとはどのようながんなのか、形成外科医として多くのがん手術の経験がある麹町皮ふ科形成外科クリニック院長、苅部淳医師に聞いた。

「腎細胞がんは、初期症状はほとんどなく検診で発見されることがほとんどです。しかし、血液検査ではわからず、超音波やCT検査で判別されることが多いです」(苅部淳医師、以下同)

 小木も頭痛の治療で入院した際に検査を受けたところ偶然見つかったようだが、一般的にも健康診断や人間ドック、またほかの病気の検査などによって偶然見つかるケースが多い。

「腎細胞がんは片方の腎臓にできることが多く、進行すると静脈の中に腫瘍が広がり、血管を塞栓することがある怖い病気です。また、肺、骨、肝臓などに転移しやすく、脳へ転移することもあります」

 腎臓は老廃物を尿として体外へ排出する働きがある。ソラマメのような形で、腹部に左右1つずつある。腎臓は、尿をつくる腎実質(じんじっしつ)と、尿が集まる腎盂(じんう)に分けられる。

 腎細胞がんは腎実質にできることが圧倒的に多く、腎臓にできるがんの約9割といわれる。ステージ1で手術を受ける小木は、根治が期待できるようだ。

 腎がんは進行度合いにより、ステージ1~4に分けられる。

「腎臓内にとどまっている1~3期では、原則として手術療法となります。近年では腹腔鏡を挿入して行う手術で行われることも多く、標準術式のひとつとなっています。手術で根治治療ができれば予後は非常に良く、ステージ1では9割以上で再発はありません」

 以前は腎臓を腫瘍ごと摘出する根治的腎摘除術が行われていたが、最近では4cm以下の小さい腎がんであれば腫瘍のみを切除し、正常な腎組織を残す腎部分切除術が行われることが多くなっている。

 過去のデータから、腎細胞がんは男性の罹患率が多いことがわかっている。

「腎細胞がんはすべてのがんのおよそ2%とされており、男女の割合は2:1で男性に多いとされています」

 腎細胞がんに罹患する原因は遺伝性もあるが、一方で生活習慣も大きく影響するようだ。

「いくつかの原因が複合的に作用して発症すると考えられますが、危険因子として肥満と喫煙が挙げられます」

 喫煙者や肥満の人が必ずかかる病気ではなく、さまざまな要因が重なり発症するケースが多い。

 喫煙、肥満は新型コロナウイルス感染症でも重症化リスクになることがわかっている。健康を意識した食生活や生活習慣が、がんにも新型コロナ感染予防にもつながるといえるだろう。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

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吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

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