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寺澤有「警察を見れば社会がわかる」

東京ミネルヴァ“破産問題”で問われる「裁判所と弁護士会の責任」防げたはずの武富士支配

文=寺澤 有/ジャーナリスト

高裁も最高裁も「公序良俗違反」を認めず、DSC側に“お墨つき”を与える

 松永弁護士は東京地裁の判決を不服として控訴した。

 しかし、2012年6月28日、東京高裁(市村陽典裁判長)は控訴棄却の判決を言い渡した。

 判決は「被控訴人代表者(筆者注・DSC代表取締役の兒嶋氏)と宇田が、いずれも株式会社武富士に勤務していた頃の上司と部下の関係にあり、両者に人的つながりや債務整理の知識があることは認められる」としながらも、以下の理由で公序良俗違反を認めなかった。

〈本件広告委託契約は、控訴人の法律事務所の業務を周知するため、被控訴人が広告物の印刷、配布等を行い、控訴人がその代金を支払うことを内容とするもので、契約の内容自体が公序良俗に反するものではなく、KKサポートについては、弁護士業務に対する資金提供を行い、債務整理に関与して利益を獲得するという点において、弁護士法72条(筆者注・非弁護士の法律事務の取り扱いなどを禁止する規定)の関係で問題となる余地があるとしても、被控訴人との本件広告委託契約が、控訴人の意思に基づいて締結され、広告物の印刷や配布等による利益も控訴人が享受しているものであって、KKサポートの行為の一部であるとみるべき理由はないから、公序良俗に反するとはいえず、無効とはならないというべきである〉

 松永弁護士は上告したが、2012年11月30日、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は上告棄却の決定を出した。

 12月7日、DSCは「最高裁判所における勝訴確定に関するお知らせ」と題するプレスリリースを発表し、こうアピールした。

「お取引先等関係者各位及び法曹業界に携われている方に対し、ご迷惑、ご心配をお掛けいたしましたが、原審、控訴審において当社が勝訴し、上告審も却下されたことにより、当社主張は全面的に認められたものと考えておりますので、引き続き、ご安心してお取引いただけますようお願い申し上げます」

 裁判所も弁護士会同様、東京ミネルヴァの巨額破産を招いた大きな責任がある。

(文=寺澤 有/ジャーナリスト)

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