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木村隆志「現代放送のミカタ」

酷評から一転、盛り上がる『未満警察』が“単なるアイドルドラマ”ではない理由

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
酷評から一転、盛り上がる『未満警察』が単なるアイドルドラマではない理由の画像1
未満警察 ミッドナイトランナー|日本テレビ」より

「あり得ない」という観点で見たら放送されているドラマの中でも断トツではないか。

「警察学校の学生2人が繰り返し難事件に巻き込まれ、未熟さを見せながらも解決に導く」という荒唐無稽な筋書きで、序盤から賛否真っ二つの『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)。

 Sexy Zone・中島健人とKing & Prince・平野紫耀という「ジャニーズアイドルのダブル主演ドラマだから荒唐無稽なくらいの方がいい」と助け船を出したいところだが、スタートしてみたら別の意味で「あり得ない」展開が待っていた。

 監禁、虐待、洗脳、人身売買、惨殺、シリアルキラー……キラキラとしたトップアイドルの主演作とは思えないダークサイドかつバイオレンス満載のドラマだったのだ。そこにコロナ禍による重苦しいムードが重なったこともあり、世帯視聴率は、第1話11.2%の好発進から1桁台に転落。第2話9.0%、第3話8.4%、第4話7.2%、第5話9.1%、第6話9.9%、第7話9.1%、第8話9.3%と1桁台で推移している(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 ただ、「おもしろくないのか?」と言えばそうではなく、むしろ終盤に向けて視聴者はヒートアップ。『24時間テレビ』の放送で1週間空いてしまうことに嘆きの声が上がっていたくらいだ。序盤の重苦しいムードで嫌われかけた当作が盛り上がり始めている理由は何なのか。

2つの事件を交錯させて物語を加速

 当作最大の特徴は、「週替わりの事件をスカッと解決していく刑事ドラマ」ではなく、「警察学校の学生たちが試練に見舞われるクライムサスペンス」であること。スタンダードな刑事ドラマをイメージしていた人は、そのギャップに面食らってしまったのではないか。

 実際、理論重視で頭脳派タイプの本間快(中島健人)と、感情先行型で肉体派タイプの一ノ瀬次郎(平野紫耀)というバディの組み合わせは、刑事ドラマのスタンダードであり、『MIU404』(TBS系)のそれとも似ている。また、「互いの長所を生かし合い、足りない部分を補い合って、最高のバディになっていく」という展開も、やはり刑事ドラマのスタンダードだ。

 しかし、事件そのものはスタンダードではなく、極悪犯による凶悪なものばかり。痛みや怖さなどで胸を締めつけられるようなシーンが必ずあり、「助かるか? 殺られるか」のハラハラドキドキを前面に押し出している。これだけ不快感を与える作品では、見る人を選んでしまうのは当然だろう。ジャニーズのアイドルを主演に起用しても、細マッチョな肉体美のシーンを多用しても、打ち消すことができないほどのダークな世界観なのだ。

 ただ、そのダークサイドな世界観を生かした構成でジワジワと盛り上がりを生み出しているのも事実。通常の刑事ドラマは、判で押したような1話完結の物語ばかりだが、当作はそんな定型にとらわれることはない。1話完結のときもあれば、週をまたぐ構成もあり、「次の放送が待ち遠しい」と思わせる連ドラならではの醍醐味を見せている。

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