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吉澤恵理「薬剤師の視点で社会を斬る」

エコバッグが食中毒の温床になる恐れ…テイクアウトでも食中毒続出、「予防3原則」とは?

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
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「Getty Images」より

 長期化する新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、“新しい生活習慣”として消毒が不可欠となっているが、一方で食中毒のニュースが相次いでいる。 緊急事態宣言期間には多くの飲食店が休業を余儀なくされ、宣言解除後も営業存続が危ぶまれる飲食店もある。

 そんななか、生き残りをかけて「テイクアウト営業」を始める飲食店が増加しているが、7~9月は食中毒が発生しやすい季節であり、テイクアウトを利用する側にも食中毒予防に対して十分な理解と注意が必要だ。

 店内で調理した料理を飲食店がテイクアウトやデリバリーで販売する場合は、すでに許可されている飲食店営業の業務範囲内となるため、多くの場合、新たな手続きは必要ない(一部、加工食品や移動販売の場合は異なるケースもある)。

 衛生管理は各飲食店に任されているとはいえ、厚生労働省はテイクアウト・デリバリーにおける食中毒予防のガイドラインを示している。

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 また、自治体もそれぞれに弁当の温度管理を徹底させ、保冷剤の使用、生卵・刺身などは避けるなどの指導を行っている。また、厚生省も7~9月を食中毒予防推進強化期間と定め予防の推進や啓発活動を実施している。

 食中毒の原因菌は摂氏20~50度がもっとも繁殖しやすい。そのため、調理後に30度前後の中で1時間以上陳列されると、食中毒リスクが上がる。温度管理がされていない店先などで長時間山積みにされている弁当などは危険といえるだろう。反対に、冷蔵庫や保冷バッグを使用して温度管理された状態で販売されているものや、注文後に調理し販売されるものは安全性が高いといえる。

 また、調理後すぐに密閉された容器に入れると、容器内で水蒸気が発生して菌が繁殖しやすい環境になるため、テイクアウト後は1時間以内には食べたほうがいい。

 今年7月からレジ袋が有料化されたことを受け、エコバッグの使用が浸透しつつあるが、そのエコバッグに食中毒リスクが潜んでいる。繰り返し使用するエコバッグには、野菜に付いている土や、生鮮食品・冷凍食品などの水分が付着し、細菌の温床となる危険性がある。食品ごとにバッグを使い分けたり、使用のたびに洗濯するなど、清潔な状態を保つことが望ましい。

 また、「食中毒の感染予防3原則」を参考にしてほしい。

(1)菌を付けない
・手に付いた菌の拡散を防ぐため、十分な手洗い
・調理器具の十分な洗浄・消毒・乾燥

(2)菌を増やさない
・低温で保存
・冷蔵庫は10度以下、冷凍庫はマイナス15度以下を維持する

(3)菌を退治する(調理器具や食器など)
・75度で1分以上の加熱
・消毒用エタノール、次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード、逆性石けん液(ベンザルコニウム塩化物液)などによる消毒

 コロナ禍で会食などを開きにくい状況にあり、テイクアウトやデリバリーは今後、さらに需要を増すだろう。テイクアウトの利用時には、美味しさだけではなく飲食店の衛生管理もぜひチェックしてほしい。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

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吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

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