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浜田和幸「日本人のサバイバルのために」

アメリカ、10月にイランへ軍事攻撃の計画か…トランプ氏、大統領選対策で非常時演出

文=浜田和幸/国際政治経済学者
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史上最悪の大統領選

 そんな危機的状況下で行われるのが11月のアメリカ大統領選挙である。コロナ騒動が沸き上がる以前は、「トランプ大統領の再選で決まり」という雰囲気であった。ところが、コロナ旋風によって潮目が激変することに。各種世論調査によると、ホワイトハウスの奪還を狙う民主党のバイデン前副大統領の人気が現職のトランプ大統領を上回っている。もちろん、世論調査通りの結果に終わるとは限らない。前回2016年の場合も、事前の調査ではヒラリー・クリントンが圧倒的な強みを誇っていたが、トランプの勝利で終わったものだ。

 とはいえ、このまま行けば今年78歳のバイデン氏が当選して最高齢大統領の誕生ということもあり得る。というのも、国民の間に反トランプというムードが広がっていることは間違いないからだ。精神科医の姪からも「史上最悪の自己中で、うそつきの大統領」とこき下ろされ、その後、元連邦検事の姉からも「危険で残酷な弟。絶対に再選させてはならない」とまで批判されているトランプである。

 とはいえ、何を言われようと馬耳東風を決め込んでいるのがトランプ大統領だ。新聞、テレビ、ネットでどんなに非難されようが、「フェイクニュースだ」と無視。確かに、不動産王として成功し、テレビの人気番組を長年仕切ってきた経験もあり、大統領選には欠かせない候補者同士の討論では決して負けないとの自信があるようだ。

 トランプ大統領の期待に反して、このテレビ討論にもコロナの影響で変化が起きそうな雲行きである。何かといえば、挑戦する側のバイデン候補は「コロナの影響を避けるため」との理由で、8月半ばにミルウォーキーで開催された大統領候補を指名する全国大会への出席を見合わせ、デラウェアの自宅から受諾演説を行ったからだ。同じ理由で、トランプ大統領とのテレビ討論も3回行われるのが通例であるが、今回は行われない可能性もある。

 一方、現職のトランプ大統領を擁立する共和党も状況は似たようなもの。当初、8月24日の週にフロリダ州のジャクソンビルで開催する予定であった全国大会だが、トランプ大統領自らが「フロリダには行かない。受諾演説はホワイトハウスで行えばいい」と方針転換。

 トランプ大統領曰く「安全確保の観点から、それが一番だ。自分が移動すれば大勢のセキュリティスタッフも動くことになる。シークレットサービスの経費を減らせるメリットもある」。実際のところ、アメリカでは慣例上、ホワイトハウスでの選挙活動を禁止しているのだが、それを無視して、ホワイトハウスのローズガーデンを共和党の大統領候補指名受諾演説の会場に選んだのがトランプ陣営であった。

 いずれにせよ、トランプ対バイデンの演説合戦はあまりにも内容がお粗末としかいいようがない。とても超大国アメリカの最高指導者を目指す候補者のやり取りとは思えない。

 例えば、トランプ大統領曰く「先の民主党全国大会でバイデンが行った演説はいつもの認知症らしさがなかった。きっと何か薬を使っていたに違いない。来るべき候補者同士の討論会の開始前には薬物検査を要求したい。自分は薬などの力を借りなくても大丈夫だ」。

 対するバイデン候補曰く「自分は子供の頃からどもりだった。そのためクラスメイトや先生からも“どもりのジョー”といじめられた。そのため、どもり矯正プログラムを根気よく続けたおかげで今では大分改善した。でも、まだ時々どもってしまう」。

 トランプもトランプなら、バイデンもバイデンで、アメリカや世界の直面する課題への解決策や未来へのビジョンなどまるで関心がないようだ。コロナ対策に関しても、バイデンは「全国民にマスク着用を義務付ける」と主張。すると、トランプは当初「そのうち自然に消滅する。マスクなどは弱虫の着けるもの。自分には必要ない」といった強気な発言に終始。しかし、自分だけはNASAが開発したスティック状のウィルス予防噴霧器を胸ポケットに隠していたというから、開いた口が塞がらない。

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