雪国まいたけを追われた大平氏は高級な黒マイタケの人工栽培に成功

 雪国まいたけを追われた大平氏のベンチャー精神はいささかも衰えていなかった。親族とともに15年6月、大平きのこ研究所(新潟県南魚沼市)を設立して会長に就任。希少で高級な黒マイタケの人工栽培技術を確立した。天然物に近い風味や食感が特徴の黒マイタケは茶色や白の一般的なマイタケの2倍の値段で売れ、関東地方の百貨店や高級スーパーの店頭に並んでいる。

 農林水産省が黒マイタケの人工栽培技術に着目した。大平きのこ研究所は21年までに埼玉県飯能市に面積2万平方メートルの工場を新設し、黒マイタケの年間生産量を2000トンに引き上げる。総投資額は40億円。官民ファンドの農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)が出資する。19年5月期の売上は1億2000万円にすぎないが、23年5月期には20億円を目指す。

 A-FIVEの後押しを得て、大平会長が社長を務めるカナダの現地法人「将軍まいたけカナダ」での大増産を計画している。40億円を投じ工場を拡張し、年間生産量を130トンから3100トンに増やす。カナダや米国の高級飲食店に販売する計画だ。創業した雪国まいたけを、石もて追われた大平氏は、高級黒マイタケを武器にA-FIVEが推進する「日本の食文化の海外輸出」の先兵として蘇ろうとしている。

(文=編集部)

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