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五代目山健組からついに「脱退の挨拶文」出される…神戸山口組から離脱した3組織の今

文=山口組問題特別取材班
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五代目山健組・中田組長から出された挨拶状

 今から5年前の2015年8月。六代目山口組から分裂してできたのが、神戸山口組だった。その勢いは結成当初、メディアの後押しも手伝って、日本最大のヤクザ組織である六代目山口組にも対抗できる勢力と見なされ、当面は両組織が並行していくのではないかと思われていた。

 だが、長年、山口組に携わってきたある人物は、その状況を当時から以下のように評していた。今となってはそれは、今日の状況を的確に見通していたとさえいえるのではないだろうか。

「山口組は“力”でその土地、その土地に根付いてきた歴史があります。そこにはたくさんの血や涙が流れている。だからこそ、全国各地に根を張ることができたのです。

 それを、後から出てきた組織がメディアを使うなどして自分たちの存在をアピールし、その影響力を定着させようとしても、どだい無理な話ではないでしょうか。最終的にヤクザが根を下ろすには、暴力しかない。山一抗争ですら、4年でだいたいの目処が立ちました。六代目山口組の分裂問題も、4年を過ぎたあたりから大きく変わってくるのではないでしょうか」

 実際、分裂から4年が過ぎ、六代目山口組の髙山清司若頭が社会復帰して以降、神戸山口組を取り巻く環境は大きく変わった。ここ数カ月に絞っても、まず、屋台骨として神戸山口組を支えてきた五代目山健組のまさかの離脱。同時に、金庫番といわれた池田組(本拠地・岡山)の離脱。そのほか、神戸山口組から六代目山口組へと復帰する組員が相次ぐなかで、2017年に最初に神戸山口組を割って出た絆會を合わせると、3つもの有力組織が神戸山口組を割って出たことになるのだ。

「絆會は、“任侠山口組”として神戸山口組から離脱。直後に、神戸山口組を批判する会見を2度にわたり開いています。池田組は、神戸山口組からの離脱はあくまでも“円満退社”であったことを記した挨拶状を関係先へと送付していますが、一方の神戸山口組は池田組に対して、除籍処分としたようです。そして今回、五代目山健組中田浩司組長からは、神戸山口組からの離脱をはっきりと示す挨拶状が出されたようです」

 令和2年8月の日付と、中田組長の署名がはっきりと記されたその挨拶文は、瞬く間にSNSでも拡散され、大きな話題となった。

「現在、中田組長は神戸拘置所に拘禁されているが、弁護人を通じて、その意思が明確に五代目山健組に伝えられ、今回の挨拶状が作成・発行されたのではないか。これに対する神戸山口組の対応が注目される」(捜査関係者)

 そして、絆會も8月末に新人事を発表し、その情報はすぐに関係者の間で拡散されたという。

「SNSで拡散された組織名簿によれば、直参は総勢41名。織田会長の側近が直参へと昇格するなど、従来の縦社会的なヤクザ組織ではなく、より横並びでフラットな組織にすべく、新たな改革を行ったようだ」

 五代目山健組、池田組、絆會と、神戸山口組から離脱し、六代目山口組に帰還することもなく、独自の路線を選択する道を選んだ3組織。神戸山口組の求心力低下が囁かれるなか、今後もこれらに続く組織が出てこないとはいえないだろう。六代目山口組の分裂問題は、いよいよ佳境へとさしかかってきているのかもしれない。
(文=山口組問題特別取材班)

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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