それから5カ月。ホンダGMとの協業を、北米市場向けモデル限定ながら、ガソリンエンジンなどのパワートレーンやプラットフォームといった「本丸」にまで広げることで合意した。これによって開発投資の分散や量産効果、先進技術の活用などのメリットが得られる見込みだが、その半面「ホンダらしさ」を打ち出すことが難しくなる。

 ホンダにとって北米事業は営業利益全体の5割を稼ぎ出す柱だ。その北米事業でGMと主力事業を共通化に踏み切るほど、ホンダは追い込まれている。

 一つは収益力の弱さだ。ホンダの20年3月期連結業績での売上高営業利益率は4.2%だった。二輪車事業が13.9%だったのに対して四輪車事業が1.5%と、全体の足を引っ張っている。トヨタ自動車の8.2%、スズキの6.2%、スバルの6.3%と比べても極端に低い。しかも前期に限らない。四輪車事業の弱い収益力はここ数年のホンダの最重要課題となっている。このため、英国工場やトルコ工場、狭山工場の閉鎖を相次いで決定、生産能力を削減して固定費を引き下げる方針だが、効果が表面化するまでに時間を要する。

課題は「弱い収益力」

 将来に対するもう一つの不安材料が、技術開発の遅れだ。今年4月に移管するまでホンダの四輪車の開発は、子会社の本田技術研究所が担ってきた。研究所の中でも「エンジン屋」の発言力が強く、新型車の開発でもパワートレーンに比重が置かれていた。

 しかし、今後の自動車のトレンドは先進運転支援システム(ADAS)や自動運転技術、EV車両などだ。多くの自動車メーカーが、これら先進技術の不足を補うため、他社との提携や、技術を持つスタートアップに投資しているが、ホンダは自前主義の意識が強いこともあって、これら先進技術の開発では遅れているのが実情だ。

 自動車メーカーが対応を迫られているEVや自動運転などの技術は、開発する領域が広く、多額の研究開発投資が必要になる。しかもこれらの分野では、新興勢力である中国などの自動車メーカーや、米国IT大手も参入しており、競争環境は厳しく、出遅れた自動車メーカーには淘汰の波が襲い掛かる。トヨタがスバルへの出資比率引き上げや、スズキとの資本提携、フォルクスワーゲン(VW)がフォードと自動運転やEVで提携するなど、業界再編が加速しているのも、こうした動きが背景にある。

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