「30 UNDER30JAPAN」に選出された事業家が15年間考え続けてきたことの画像1
※画像:『14歳で”おっちゃん”と出会ってから、15年考え続けてやっと見つけた「働く意味」』(ダイヤモンド社刊)

 誰もが何度でも、やり直せる社会をつくりたい。なぜ、ホームレスのおっちゃんたちには「やり直す」チャンスがまったく用意されていないんだろう。14歳のときからこの問題を考え、それ以来、15年活動を続けているのが、認定NPO法人Homedoor理事長の川口加奈氏だ。

■ホームレス問題と放置自転車 二つの問題を同時に解決した秘策とは

 『14歳で”おっちゃん”と出会ってから、15年考え続けてやっと見つけた「働く意味」』(川口加奈著、ダイヤモンド社刊)では、ホームレスと放置自転車という2つの社会課題を解くビジネスモデルで、すべての人に居場所と選択肢をもたらすNPOを立ち上げた起業家の川口加奈氏が、これまでの15年と、これからつくる未来を語っている。

 中学校からの帰り道、日雇い労働の街・釜ヶ崎での炊き出しでホームレスの人たちの列を見かけ、興味を持った川口氏は、釜ヶ崎の炊き出しのボランティアに参加する。ホームレスの人たちと接する中で、「なぜ『やり直す』チャンスがまったく用意されていないんだろう」という疑問とともに、逆に言えば、誰であれ、失敗しても再挑戦できる仕組みが社会にあれば、この問題は「問題」じゃなくなる。ホームレス問題は解決できるのではないか、と考えたという。

 14歳でこの問題と出会い、19歳で認定NPO法人Homedoorを立ち上げる。課題解決のために最も大事にしていることは、現場や当事者の声。夜回りの声かけ、シェルターの運営、相談の受付、仕事の提供、金銭管理のサポート、そして、最終的には就職し、家を借りて路上脱出するところまでの支援メニューが用意されている。

 では、ホームドアでは、どんな仕事を提供しているのか。川口氏がホームレスのおっちゃんに得意なことを聞いた際、「わし、自転車なおすくらいやったらできるで」の一言から生まれたのが、ホームドアで行っている自主事業のシェアサイクルサービス「HUBchari(ハブチャリ)」だ。シェアサイクルを始めて、そのメンテナンスをおっちゃんたちにしてもらう。そうすれば、放置自転車もなくなる、と考えたのだ。

 株式会社ドコモ・バイクシェアと提携し、200カ所以上のポートで使用できる「ハブチャリ」は、放置自転車とホームレス問題の2つの社会問題を同時に解決。月に3万回以上利用されている。このビジネスモデルをつくった川口氏は、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」、フォーブス誌による日本を変える30歳未満の30人「30 UNDER30JAPAN」などの賞を受賞した。

 さまざまな問題に直面し、挑戦をしてきた川口氏は、「働く意味」は挑戦することで見つけられるものである、と述べる。川口氏の15年間の奮闘記、そしてこれからを綴った本書を読んでみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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