NEW

「コロナ禍でタワマンの価値下落」という“嘘”…マンション価格は下がらないという現実

文=A4studio
【この記事のキーワード】, ,

 オフィス需要でいえば、コロナ禍の影響で東京・渋谷区のオフィスビルで一部空室が出たという話はありましたが、それも業界の好不調を占う解約率5%という数字には全然届いていない。渋谷は基本的にパソコンがあれば済んでしまう身軽なIT系の企業が多いですから、すぐにコロナの危機を察知する反応が取れたのでしょう。ですが、他の地域ではこうした動きはほぼ見られません。これは、ほとんどのオフィスが3年から5年といった長期契約だからです。そうして毎月の賃料を相場よりも下げてもらう契約形態も人気ですし、万が一解約すると違約金も発生してしまいますしね。

 もうひとつ、ビジネスシーンにおいてコロナによる変動が起きづらい要因として、リモートワークに本格移行するか、オフィスへの出勤に戻していくか、という大きな決断をいまだに多くの企業が計りかねているのも大きいですね。緊急事態宣言が5月に解除になった日本は、世界的に見ても大きな変動が起きる前に難を逃れた印象です。逆にアメリカの都市部はコロナの被害が甚大だったこともあり、オフィス契約の解除に至った企業が多くあったそうです」(同)

 タワマン界隈のコロナの影響でいうと、東京オリンピック2020での選手村にも利用する予定だった、東京都中央区晴海の「晴海フラッグ」はどうなのだろうか。

「『晴海フラッグ』は例外的にかなりのダメージを受けていますね。住宅数が軽く4000戸を超えるという、戦後の高度経済成長期の大規模公団以来なかなかなかったレベルの広大な居住施設プロジェクトでした。しかしそれがコロナ禍の影響でオリンピック自体が開催の危機となり、正直進展が見えない状態になったことで、モデルルームの公開や販売活動をストップしてしまっています。

 いつまでこれが続くのかわからない状況で延々と販売期間を伸ばせば、維持費や修繕費の観点でも、当然値下げに踏み切る可能性はあります。そしてそうなれば、他の新築マンションも買い手を取られまいと値下げ競争に踏み切るでしょう。ですが、そういった状況になったとしても、“タワマンの価格下落”論を強調するには弱いというのが正直な印象です。というのも、『晴海フラッグ』でタワマンと呼べるのは2棟だけ。そして、そもそも買い手をすぐつけるために、最初から他のタワマンより値段が安いんです。ですから実は現時点でも900戸ほどの契約があるようです」(同)

 コロナ禍でダメージを受けたタワマン筆頭との声も多い「晴海フラッグ」も、蓋を開けてみれば業界激変のイメージとは程遠かった、ということか。

株価が安定していれば不動産業界の価格は下がらない

 最後に、コロナ禍を経た不動産業界の今後について聞いた。

RANKING
  • マネー
  • ビジネス
  • 総合