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木村隆志「現代放送のミカタ」

『私たちはどうかしている』が“観月ありさ劇場”に?日テレの誤算と挽回策

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
『私たちはどうかしている』が観月ありさ劇場に?日テレの誤算と挽回策の画像1
私たちはどうかしている|日本テレビ」より

 TBSドラマの好調ばかりが伝えられる中、すっかり影に隠れた存在となっている『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)。

 今をときめく浜辺美波と横浜流星のダブル主演ながら、世帯視聴率が全話1桁台に留まっているほか、最も期待していた「若年層の評判が芳しくない」という苦しい状況が続いている。

 ネット上には厳しい声が飛び交い、中には「日テレはどうかしている」という不名誉なダジャレも散見された。ただ、9月16日放送の第6話で「第一部終幕」することが明かされたほか、花岡七桜(浜辺美波)と高月椿(横浜流星)の別れを予感させる流れもあり、一転して盛り上がる可能性はまだ残されている。

 どこが「どうかしている」と思われてしまう要因になっているのか。また、第一部のラストから第二部に向けて、どのような展開ならば浮上するのか。

土ワイ・火サス、大映ドラマを彷彿

『私たちはどうかしている』は、老舗和菓子店・光月庵を舞台に、和菓子職人の七桜と椿の愛と、両親たちの死をめぐるミステリーを描いた物語。

 さらに、「幼い頃、互いに好意を寄せ合っていた七桜と椿が、ある事件を境に“容疑者の娘”と“被害者の息子”という立場になる」「15年後、七桜は母の無実を証明するために、素性を隠して椿と結婚する」という設定は、ストレートな愛憎劇とも言える。

 そのミステリーは「土曜ワイド劇場か、火曜サスペンスか」、愛憎劇は「ほとんど大映ドラマ」という声が上がっているように、平成を飛び越えて“ザ・昭和”のムードがあるのは明白。令和の若手俳優と昭和ドラマのギャップ狙いなのは理解できるが、それに「若年層がハマるか」と言えば疑問が残る。実際、「浜辺と横浜を起用しているわりに40代以上の視聴者が多い」というデータ結果を聞いたが、無理もないだろう。

 第1話の段階から、椿は七桜と出会ったその日に結婚を持ちかけ、結婚式の最中に七桜を呼びつけてキスし、わざわざ雨の降る庭に出て紋付き袴姿のまま許嫁に土下座するなど、ブッ飛んだシーンの連続で若年層を置き去りにしてしまった感がある。

 第5話では、急なつわりでトイレに駆け込んだり、蛍を見せながら「ここ来いよ」と誘ったり、「毛虫がいるぞ」と驚かせて「キャッ」と抱きついたり、急に後ろから抱きしめて「理由なんていらないだろ。俺のものになるんだ」とささやいたり……。

 中高年の人は「よくここまで“昭和ドラマあるある”を詰め込んだな」と感心したのではないか。クソまじめにつくっているにもかかわらず、ブッ飛んだネタや昭和ドラマあるあるを確信犯的に詰め込んでいることが、若年層をポカンとさせ、中高年層を喜ばせているのだ。

観月の童歌でホラーテイストをプラス

 放送前は浜辺と横浜に焦点が当てられていたが、いざ始まってみたら椿の母で女将の高月今日子を演じる観月ありさが、事実上の「主演」と錯覚しそうなほどの存在感を放っている。

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