1位・2位は、欠陥住宅リスクとそのコスト負担だった。欠陥住宅になるリスクは、住宅のトラブル相談を受ける住宅リフォーム・紛争処理支援センターが統計的にまとめている。この団体は、住宅性能評価書を取得した物件が万が一欠陥住宅になった場合の紛争処理を推進する機関でもある。その実績は、評価書を取得した物件が年間約9万戸に対して毎年紛争になる件数は約30件と、発生確率は0.03%と低い。
この結果、住宅性能評価付き住宅はトラブルの件数が少なく、発生コストも低い。つまり、住宅性能評価付き住宅は欠陥住宅リスクもおおむね回避してくれるということだ。
住宅性能評価は、その他の項目もリスク回避できる。リスク回避ニーズの3位が劣化対策等級、4位が耐震等級、7位が耐火等級に相当するので、いずれも住宅性能の問題である。また、6位の売主の倒産も新築から10年間は構造や雨漏りなどの問題は無償補修が義務付けられているので、これもほぼ回避できる。
この結果、残すは5位の地盤の軟弱さをクリアすれば、全部のリスクを回避できることになる。地盤については、地盤ネットアプリなどの無料情報で自分で調査することができるし、地盤保証をしている分譲事業会社もあるほどだ。
こうして、リスク回避ニーズの中でも「絶対+なるべく回避したい」項目を回避するには、住宅性能評価結果を確認することで実現できる。実際、住宅性能評価書付き住宅ならば、絶対避けたいリスクをひとつでも回避できる人が98.6%に及ぶ。今回のアンケートでは500サンプルなので、493人に及ぶわけだ。
しかし、住宅性能評価書付き住宅は4分の1しか普及していない。これは良質なストックであるために、中古価格が値下がりしにくいこともわかっている。日本人としては、これが標準となる時代が望ましいと私は考えている。
(文=沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント)
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