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埼玉発スーパー・ヤオコー、“超高収益企業”の秘密…コロナ下でも利益6割増の快進撃

文=編集部
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ヤオコーの店舗(「Wikipedia」より/Tokoro ten)

 32期連続増収増益――。イオンなど大型全国チェーンを尻目に、埼玉・川越市を地盤とする食品スーパー、ヤオコー(東証1部上場)は快進撃を続けている。2021年3月期の連結決算は、売上高に当たる営業収益が前期期比2.7%増の4731億円、営業利益は1.5%増の202億円を見込んでいる。売上高、営業利益は1989年3月期以来、32期連続で増収増益を達成することになる。

 日本スーパーマーケット協会など食品スーパー業界3団体が発表した7月の全国食品スーパー売上高(速報値、既存店ベース)は前年同月比5.6%増。前年実績を6カ月連続で上回った。青果・水産・畜産の生鮮3部門の合計は既存店ベースで10.7%増となった。日常生活に欠かせない食品は堅調なのである。

 ヤオコーの既存店売上高は全国の食品スーパーの平均を上回って推移している。今年に入ってからの既存店の売上を見てみよう。

【ヤオコー既存店売上高の前年同月比増加率】(単位%)

        1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月

既存店売上高  0.4   11.0   12.9   18.8   19.4   12.1   13.5   14.0

 特に、コロナが直撃した2月以降、2ケタの伸びを続けている。その結果、20年4~6月期の連結決算の営業収益は前年同月比17.3%増の1299億円、営業利益は60.1%増の83億円、純利益は62.6%増の56億円。いずれも同期間で過去最高となった。

 在宅勤務が増え、自宅の周辺で買い物する人が多くなった。ヤオコーは強みとする郊外型の店舗の来店客が増加した。巣ごもりの長期化や外食機会の減少で、比較的高価格帯の生鮮品の販売が伸びた。焼き肉用の国産牛の売れ行きが伸びるなど、家庭の食事で「プチぜいたく」が広がっていることも寄与した。

 21年3月期の業績予想は、「先行きの不確定要素が多い」として、期初予想を据え置いた。それでも、突発的なトラブルでもない限り、売上、営業利益は32期連続、純利益は27期連続で最高となることに変わりはない。

 売上高営業利益率は6.4%。2%未満の食品スーパーが多いなか、利益率は飛び抜けている。自己資本比率は44.8%。株価も昨年末比5割高と高い水準で推移し、8月25日には上場来高値の8850円をつけた。

総菜の粗利益率は51.36%

 ヤオコーの勝利の方程式は店舗戦略と商品戦略にある。第9次中期経営計画(2019年3月期~21年3月期)において商圏内シェアアップ(1km商圏シェアアップ)を優先課題とした。店舗数は166店(2020年3月末時点)。半数以上の89店が埼玉県内にある。1km商圏シェアは18年3月期まで16%台で推移していた。19年3月期は17%に乗せ、20年3月期は19.5%に高まった。来店率は57.9%、月間来店回数は6.8回と過去最高を記録した。

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