SMBC日興証券の20年6月末の口座数は3.2%増の348万口座(18年1月にSMBCフレンド証券と合併)。大和証券は17年3月末の口座数が388万口座だったが、それ以降は非開示である。野村、大和、日興が“証券御三家”といわれた時代が長かったが、新興のSBI証券が口座数であっさり野村證券を抜き去った。

 業績を見ておこう。野村HDは19年3月期の最終損益が1004億円の赤字に転落した。通期で純損失を計上するのはリーマン危機があった09年3月期以来のことだ。野村の1000億円赤字転落と口座数でSBIに追い抜かれたことは、野村が今直面している本質的な問題を浮かび上がらせた。最強の営業部隊を擁して行ってきた対面営業が、ネット取引に太刀打ちできなくなったということだ。

 野村は復活を期して、これまで歯牙にもかけなかったSBIと組んでデジタル証券に進出することを決断したのである。

SBIは4~6月の営業収益で2位に大躍進

【大手・ネット証券の2020年4~6月期業績】

  社名           純営業収益        最終損益

1.野村HD      4607億円(38.8%)  1425億円(2.6倍)

2.SBIHD      1111億円(20.6%)   162億円(39.4%)

3.大和証券G     1054億円(▲1.6%)  175億円(9.2%)

4.みずほ証券     804億円(26.9%)   144億円(9.8倍)

5.SMBC日興証券   694億円(▲1.8%)   64億円(27.1%)

6.三菱UFJ証券HD   645億円(▲3.3%)   43億円(5.8倍)

(HDはホールディングス、Gはグループ本社の略。カッコ内は前年同期比増減率、▲は減、野村は米国会計基準、SBIは国際会計基準。営業収益から金融費用を控除したものが純営業収益。証券会社の決算の比較では純営業収益が使われている)

 SBIHDは純営業収益で2位に大躍進した。新型コロナウイルスの感染拡大による在宅勤務の増加で、ネット証券を通じて取引に参加する個人投資家が増加。業容の拡大につながった。大手は米欧を中心とした中銀の金融緩和で、債券の価格変動を捉えたトレーディングの利益が膨らんだ。野村HDは市場部門が好調で営業収益を押し上げた。

 新型コロナウイルス対策で対面営業を制限した社は個人向けで苦戦した。対面営業が主力の大手と、ネットのSBIはコロナで明暗が分かれた。

SBIはメガバンクの「第4勢力」を狙う

 SBI証券傘下で対面営業店舗を全国展開するSBIマネープラザに、三井住友グループのSMBC日興証券が33.4%出資することで合意した。20年内をメドに出資を完了する。SBIHDは4月、三井住友フィナンシャルグループ(FG)と包括提携。三井住友FGがSBI系のスマホ証券への出資を発表するなどデジタル戦略で連携しているが対面営業でも連携を強化する。

RANKING
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合

関連記事