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片田珠美「精神科女医のたわごと」

瀬戸大也に不倫報道…「五輪延期による精神的不安定」と「出産後の妻への不満」が原因か

文=片田珠美/精神科医
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 実は、妻の妊娠中から出産後しばらくは夫が不倫しやすい時期である。まず、妻の妊娠中は体型が変化し、それまでのように性関係を持つのが難しくなる。また、ホルモンバランスの変化や出産への不安によって妻がイライラし、性行為を拒否することもあるかもしれない。

 出産後もしばらくは妻が育児に追われていて、夜中も授乳や夜泣きなどのために何度も起こされる状態が続く。そのせいで、夫が性欲を感じても、妻が応じられない場合もあるだろう。そういうことが積み重なった結果、性的欲求不満を募らせて不倫する夫もいるようだ。

 性的欲求不満だけでなく、自分がないがしろにされているという不満もあるかもしれない。

 妻が子どもの世話に追われていると、きちんと食事を準備するのが難しく、冷凍食品を電子レンジで温めるだけということもあるだろう。すると、なかには自分がないがしろにされているように感じて、不満を募らせる夫もいる。

 あるいは、妻の愛情が子どもに注がれるあまり、自分がかまってもらえないと感じる夫もいるだろう。たしかに、子どもが生まれると、多くの女性は母性本能に目覚め、どうしても子ども優先になりがちだ。その結果、夫の世話がおろそかになったり、夫への愛情配分が少なくなったりすることもあるかもしれない。

 これはどうしても仕方のないことなのだが、妻が母親になってしまって、自分をないがしろにしていると感じる夫が一定の割合でいる。だから、妻の妊娠中から出産後にかけての時期は、夫が性的欲求不満や妻の愛情不足を感じやすく、不倫のリスクが高まるといえる。

 妻からすれば、「家事と育児で大変なのに」と思うかもしれないが、不倫した夫が「妻が自分をないがしろにした」「妻が自分をかまってくれなかった」と言い訳を並べ立てることは少なくない。

 もちろん、これはあくまでも一般論であり、瀬戸選手夫妻の夫婦生活を外部からうかがい知ることはできない。ただ、もともと夫の不倫リスクが高まる時期に、東京五輪の延期による瀬戸選手の不安定な精神状態が重なったことが今回の不倫疑惑の背景にあると私は思う。

子どものお迎えは贖罪?

 もう1つ私が注目するのは、瀬戸選手がホテルから帰った後、近所の保育園と保育ルームに長女と次女のお迎えに行ったことだ。妻からすれば許しがたい裏切り行為だが、夫にとっては贖罪の意味合いがあるのかもしれない。夫が不倫した後、妻子のために寿司やケーキを買って帰るのと同じ心理である。

 お迎えという“善行”をし、妻から感謝されることによって、不倫という“悪”から目をそむけられる。そのため、後ろめたさや罪悪感を覚えずにすむ。これは誰でも多かれ少なかれ持っている心理的な補償のメカニズムであり、瀬戸選手にも認められる。

 東京五輪が来年に延期されたうえ、その開催さえ危ぶまれる状況では、不安や不満が募るのは当然だと思う。だが、そのガス抜きのために瀬戸選手が不倫に走ったのだとしたら、アスリートしても人間としてもどうなのだろうか。

(文=片田珠美/精神科医)

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