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長谷川高「“ガラガラポン”の時代を生き抜くための経済・投資入門」

ITバブル崩壊直前と同じ兆候…コロナ禍が崩壊に拍車、実態なき企業の株価が異常な高騰

文=長谷川高/長谷川不動産経済社代表
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 私が過去においてもう一つよく記憶しているバブル崩壊は、1999年に起こりましたITバブル崩壊です。Windows95が1995年に発売され、その翌年1996年に私自身独立し不動産コンサルティング会社を起業致しました。

 すでに不動産業界は不動産バブル崩壊の影響で右を見ても左を見ても焼け野原状態となっていました。そこで当時景気の良かったネット業界にあやかろうと、社名を有限会社デジタル不動産コンサルタントとしまた。ホームページを立ち上げた結果、取材が殺到しました。

 同時に私はいくつかのインターネット系の会社と関わりをもちました。しかし、どの会社も私が不動産バブル崩壊前夜に不動産業界で体験したものよりも、さらに「酷い」中身でした。どの会社の社長も有名大学を出てかつ有名企業を退職した若手経営者が莫大な資金を集め、社会の注目を浴びていました。しかし、その内側に入って私が見たものは、一言で言えば「実態がない」、つまりお金を稼ぎ出す仕組みが見当たらなかったのです。すべてサービスはネットに関連づけられていましたが、まったく収益を上げていない状態でした。それでも皆が皆、上々を目指しかつ声高らかにそれを宣言し資金を集めていたのです。

「不動産業界より酷い」。これが当時の私の正直な感想でした。当然ながら間違いなく、近い将来崩壊すると確信を得ました。そして、1999年にその崩壊が海の向こうの米国からやってきました。いわゆる「ITバブル崩壊」でした。

バブル崩壊前夜を象徴する出来事

 この時に起きたことと非常に似通ったことが今、米国、特にIT関連業種において再び起きています。まさにバブル崩壊前夜を象徴する出来事の数々です。現在、米国では若者を中心にスマホを利用した株取引が盛んに行われています。1999年の頃でいうデイトレーダーの再来です。彼らが好んで使う証券会社が「ロビンフット」なるアプリであり証券会社です。手数料が無料で、かつその使いやすさで人気があるようです。

 現在の米国の個人投資家の多くは失業給付等の政府からの支援金を原資に取引を行い、その対象は主にGAFAやテスラのようなテック系の企業です。米国におけるIT系企業中心を中心とするナスダック市場の指数は、ITバブルといわれた1999年当時の2倍以上となり、新型コロナな発生後も急上昇を続けています。GAFAなどの企業は十分に優良企業ではありますが、その株価はすでに正常な数値ではなくなっています。

 今年6月には、このロビンフットを利用してオプション取引をし、結果約7000万円以上の損失を抱えてしまった大学生が自殺したといった事件が起こりました。またその直後には、そのロビンフット本社が窓ガラスを防弾仕様に変えたといったニュースも入ってきました。

 さらには、現在米国では、SPAC(特別目的買収会社)、別名「白紙委任状会社」が次々と上場し莫大な資金を市場から集めています。これはこの言葉の通り、資産をなんら持たずに空箱のまま上場し、資金を集めてから将来有望と思われる企業を買収していくといった謳い文句で組成された空箱企業です。どんな企業をいくらで、どんな条件で買収するかは経営陣に任せている、それゆえ白紙委任状会社といわれています。

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