NEW
長谷川高「“ガラガラポン”の時代を生き抜くための経済・投資入門」

ITバブル崩壊直前と同じ兆候…コロナ禍が崩壊に拍車、実態なき企業の株価が異常な高騰

文=長谷川高/長谷川不動産経済社代表
【この記事のキーワード】

, ,

 このSPACが買収して大きなニュースになった企業がニコラ・モーターというベンチャー系電気トラックメーカーです。なんと今年の6月にこのニコラを買収したSPACの株価は一時約3兆円にまで値上がりしました。しかし、実はこの電気トラックメーカーはいまだ1台も完成品を市場で販売していないのです。

 さらにはこの企業が製造したトラックが道を走る宣伝用の動画が詐欺的だと告発する企業調査会社が現れました。彼ら曰く、そのトラックの走行する動画はただ坂道を下っているだけで、トラック自体は自力走行していないというのです。そしてニコラはその坂道走行を認めました。「弊社は自力走行しているとは言っていない」と。

 この企業が兆の単位の資金を集めているのです。何かが大きくおかしくはないでしょうか?

 直近の米国でのIT(テック)バブルの再来は1999年同様に近々破綻すると思われます。 ここのところ、早くも米国ナスダック市場で変調が起こっています。しかし、それを報じるニュースは「上がり過ぎた株価の調整」とか「今後も小さな乱高下を繰り返す」といった内容が多いようです。

 残念ながら、これから、いやすでに始まっていることは「いっときの調整」などではないと思われます。それはまさに1999年以来のITバブル崩壊の再来だと感じます。そのしてその影響、つまり大波は日本にも間違いなく襲ってくると思われます。

日本で起きている極地的バブル

 ところで現在の日本ですが、バブルが起こっているのでしょうか? 私は極地的にはバブルは十分に熟成されていると思います。代官山や恵比寿の路上に駐車されている高級車の多さ、そしてその運転手の若さ、(パンデミック前の)夜の高級店の異常な賑わい、これを見るたびにこれまでのバブルとは登場人物は大きく異なりますが同質の違和感を感じてきました。振れ過ぎた振り子は元に戻ると思います。まさに盛者必衰の理だと。

 そして今回は新型コロナという感染症の影響で経済が傷んだ状況下で起ころうとしています。その結果、新型コロナが今回の「崩壊」に加速をつけていると感じます。

 今回の幾度目かのバブル崩壊に関して、私は取引先や顧問先にここ数カ月警鐘を鳴らし、個別に対処方法をお伝えてきました。しかし、いまだピンと来ない方も多いのも事実です。しかし、準備するかどうかでその損害も大きく異なります。それは過去数回起きたバブル崩壊とその惨状がすでに証明してくれています。

 そして、崩壊の後には大きなチャンスがやってきます。いつの時代もガラガラポンのあとには、ピンチをチャンスに変えて大きく飛躍する者が出てきます。我々は評論家ではありませんので、もちろんその点においても最大限備えています。

(文=長谷川高/長谷川不動産経済社代表)

●長谷川高

長谷川不動産経済社代表。

東京生まれ。立教大学経済学部経済学科卒。

大手デベロッパーにて、ビル・マンション企画開発事業、都市開発事業に携わり、バブルの絶頂期からその崩壊と処理までを現場の第一線で体験。 1996年に独立。

以来、創業から一貫して顧客(法人・個人)の立場で不動産と不動産投資に関するコンサルティング、投資顧問業務を行う。また、取引先企業と連携して大型の共同プロジェクトを数多く手掛ける。

自身も現役の不動産プレイヤーかつ投資家として、評論家ではなく現場と実践にこだわり続ける一方で、メディアへの出演や執筆、講演活動を通じて、難解な不動産の市況や不動産の購入・投資術をわかりやすく解説している。

関連記事