NEW
松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

Go To トラベル東京解禁でも庶民は“お呼びでない”理由…高級旅館で贅沢できる富裕層向け?

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト
【この記事のキーワード】, , , ,

 歴史的にも、観光業はそうやって雇用を創出してきた。たとえば、大分の別府温泉を有名観光地に押し上げた実業家・油屋熊八は、明治時代に別府に旅館(現在はホテル)を創業し、さらに自動車会社(現在はバス会社)を設立した。別府といえば「地獄めぐり」が観光の目玉だが、まだ自家用車など持てない時代に地獄を回る遊覧バス路線を敷いて観光客を運んだのだ(ちなみに、日本初のバスガイドはこの遊覧バスに乗車し観光案内をした少女車掌と言われている)。

 他にも、由布院温泉の開拓やゴルフ場開発なども手がけたという。このように、宿泊、飲食、娯楽、交通を新たに創出すれば広く雇用が生まれ、お金も回り出す。この昭和的な観光モデルはその後、陰りを見せたが、やはり今でも地方に行くと大型ホテルが経済の要であることに変わりない。Go Toキャンペーンでなるべく館内設備が整った大規模ホテルに泊まりたいという選択も、そう考えれば正しいわけだ。

 改めて言おう。このキャンペーンの目的は、税金を使って我々庶民におトクに旅をしてもらうことではない。観光業を中心に据えた地方の雇用と経済を何とか維持するためだ。そう考えれば、お金持ちが何度も高級旅館に泊まって贅沢三昧してくれる姿をほほえましく見守るべきなのだろう。本音で言えば、ちょっと恨めしいが。

(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)

●松崎のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。Facebookページ「消費経済リサーチルーム

情報提供はこちら
『定年後でもちゃっかり増えるお金術』 まだ間に合う!! どうすればいいか、具体的に知りたい人へ。貧乏老後にならないために、人生後半からはストレスはためずにお金は貯める。定年前から始めたい定年後だから始められる賢い貯蓄術のヒント。 amazon_associate_logo.jpg
RANKING
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合