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岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」

人工甘味料でも「体重増加」との研究結果…ホルモンのバランスに異常

文=岡田正彦/新潟大学名誉教授
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 その結果、インスリンというホルモンの効き目に異常が生じ、血糖値の調節とともに、脂肪の燃焼が妨げられるのではないか、と考えられるのです。また動物で行われた実験から、腸内細菌のバランスを乱し、糖質の吸収に悪影響を及ぼすこともわかっています。

 人工甘味料の安全性や肥満との関係を調べた研究は以前からたくさんありましたが、これほど本格的な調査は初めてでした。人工甘味料は安全であり、体重が増えることもないというのが常識とされてきましたが、その根拠は意外と希薄なものだったようです。

 海外でよく使われるスクラロースだけを対象にした過去の研究では、太ることはないとの結論になっていて【注5】、このたびの研究結果と矛盾しません。

 問題はサッカリンなのです。苦みが少しあるため、最近はあまり使われなくなっているようですが、データが十分に公開されておらず実態がよくわかりません。

 カロリーゼロという言葉に惑わされて、甘く感じる飲料やお菓子、アイスクリームなどを飲みすぎないこと、食べ過ぎないこと。これを生活の知恵として覚えておくとよいでしょう。

(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)

参考文献

【1】Higgins KA, et al., A randomized controlled trial contrasting the effects of 4 low-calorie sweeteners and sucrose on body weight in adults with overweight or obesity. Am J Clin Nutr 109: 1288-1301, 2019.

【2】厚生労働省, サッカリンナトリウムの使用基準の改正に関する部会報告書, 2011.

【3】坂西裕介, 近年における人工甘味料の動向. 独立行政法人農畜産業振興機構. 2014.

【4】O’Connor A, Can artificial sweeteners keep us from gaining weight? New York Times, Aug 20, 2020.

【5】Baird IM, et al., Repeated dose study of sucralose tolerance in human subjects. Food Chem Toxicol 38: 123-129, 2000.

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