高まった需要に嬉しい悲鳴も…在庫不足に陥った本当の理由

 そんなブックオフが新型コロナウイルスの影響を受け、冒頭で紹介したように本の在庫不足という新たな問題に直面することとなった。

「本の在庫がなくなった要因としては、支出は抑えつつも持て余した時間を読書にあてようと考え、ブックオフで文庫本などを購入する消費者が増えたことにあると考えられます。主に小説などの文庫本が不足したのは、緊急事態宣言を受けて人々が自宅から出なくなって溜まったストレスを、文学の世界に没入して日常とは異なる感覚に浸りたいと考えた結果なのではないでしょうか。

 一方で、政府の休業要請によって店舗が休業や時短営業を実施することになり、巣ごもりで高まった需要を満たすだけの古本の買取ができていなかったことも、在庫不足となった要因でしょう」(真壁氏)

 買取量が少なかったことが在庫不足の大きな一因ということだと、“巣ごもり需要で本が飛ぶように売れて好景気だった”というわけではないようだ。

「むしろ緊急事態宣言によって人々の生活・活動の動線が絞られ、店舗の休業を行った影響もあったのか、ブックオフの売上は減少しました。巣ごもり需要によって書籍の売上が一時的に高まった時期もあったのですが、ブックオフは本以外にも取り扱う商品が多岐に渡るため、新型コロナの影響を避けられなかったのでしょう。

 それは前年の売上と比べれば如実に表れています。今年3月、ブックオフの既存店舗売上は前年同月比97.2%でした。内訳をみると巣ごもり需要が支えとなり、書籍、ソフトメディアの売上高は前年を上回ったのですが、一方でアパレル、貴金属・時計・ブランドバッグなどの売上高が前年を大きく下回ったのです。続く4月は緊急事態宣言が発令されたため休業店舗を増やした結果、既存店売上高は前年同月比64.4%という落ち込みぶりでした」(真壁氏)

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 では、また今回のような在庫不足が起こらないようにするためには、ブックオフはどういった施策を打つべきなのだろう。

「人々が気軽に、安心して、ネット上で文庫本などを売却できるプラットフォームの構築が必要でしょう。ブックオフはウェブカメラ査定などを行うことによって、宅配買取サービスを実施しているのですが、それでも今回在庫が不足してしまったということは、そういったネット上での買取体制にまだまだ改善の余地があるということだと思います。