当面は人海戦術で営業することになるでしょうが、今後もし、ブックオフがこれまでに蓄積してきた買取評価をAI(人工知能)などに行わせることができれば、より効率的に在庫を確保できるはず。

 また最近は、このコロナ禍で“新書の売れ行きが急増”というニュースもよく耳にしますが、新書販売の増加はブックオフにとって在庫確保のチャンスになりえます。新書を購入した消費者は、そのまま手元に置いておく人もいるかと思いますが、読み終わったら売るというスタンスの人も多いでしょうからね」(真壁氏)

 最後に、ウィズコロナが求められ、今後はアフターコロナも見据える必要がある状況において、ブックオフが進むべき道筋について聞いた。

「先ほどの話にも通じますが、やはり人々の移動が制限された分、今後はECなど、オンライン上で消費者が安心して所有していたものを売却し、欲しいものを購入できる環境を整備することが課題となるでしょう。

 ブックオフの取り扱い商品は、書籍に加えてスポーツ用品、電子機器、貴金属などにまで拡大しており、取り扱い品種の増大によって、店舗の形態は駅に近い住宅街を中心としたものから、郊外の大型店舗に変化しています。そのため、複数の店舗の需要と在庫状況をリアルタイムで随時把握し、各店舗、各地域において最適と考えられる品揃えを目指すことが、より効率的に収益を獲得するために欠かせないといえるでしょう。そのためにも、デジタル技術を活用していく必要があるわけです。

 重要視すべきは、ブックオフが書籍を中心に蓄積してきた評価のノウハウを、ネットワーク空間上でも実現していくことです。例えばフリマアプリのメルカリは、消費者同士が直接品物を売買しているため、受け取った品が思ったより汚かった、聞いていない破損個所があったといった購入者側からのクレームやトラブルが続いています。

 そんななかで、ブックオフではそういった商品状態に対する不満が出ない、もしくは消費者同士のトラブルが起こっても運営の対応がしっかりしている、そういった評価を得られるようにすることが重要でしょう。そういったオンライン上の買取と販売の体制を敷いていくことが、ウィズコロナ時代、アフターコロナ時代に求められていくと思います」(真壁氏)

 ブックオフがオンライン上の売買に注力していくということは、これまで以上にメルカリやヤフオク!が競合となってくるはず。コロナ禍を経たブックオフが、どういった新たなビジネスモデルを確立していくか、今後も目が離せない。

(文・取材=及川全体/A4studio)