
先月27日、自宅で亡くなっているところが発見された女優の竹内結子さん。自殺とみられており、あまりに突然の死にショックと悲しみが広がっている。
竹内さんは昨年2月に俳優の中林大樹さんと再婚し、今年1月には第2子男児を出産した。竹内さんには2008年に離婚した歌舞伎俳優の中村獅童との間に生まれた長男がいる。
「竹内さんと夫で俳優の中林大樹さんの所属事務所、親友で家族ぐるみの付き合いをしていたタレントのイモトアヤコの所属事務所の関係者も、最近の竹内さんの様子に何か変わったところなどは、まったく気が付かなかったといい、なぜ死を選んだのか、その背景や要因は不明のままのようです。また、中林さんはじめ家族のショックも大きいこともあり、まだ警察も詳しい話を聞けていないということです」
竹内さんは中学卒業後に東京・原宿でスカウトされ、芸能界デビューを果たしたが、本人があまり公には明らかにしなかったこともあり、デビュー前の家族の話や生活環境などについては、ほとんど知られていない。
ただ、1999年に出版された小説『サーフ・スプラッシュ』(桜井亜美/幻冬舎新書)の巻末に寄せられた竹内さんによる「解説」には、次のような文章がみられる。
「私は父に人生を好きに生きてくれたらいいと思っていた」
「連れ子という荷物がいることを面倒に感じられたくなかった」
「その思いが自分の心に無理を課していたとは気付かなかった」
また、9月28日付「スポニチアネックス」記事によれば、竹内さんが仕事関係者に「私、ちょっと複雑な家庭なんで戻る場所なんてないんです。だから、この世界で絶対に頑張らなきゃいけない」と話していたという証言を紹介している。
精神科医の片田珠美氏はいう。
「複雑な家庭環境で育った幼少期や青年期の経験が、大人になってから自死を選ぶ危険性になんらかの影響を与えることは、やはりあるのではないかと思います。
その理由として、主に3つが考えられます。まず、サポートの不足です。自殺の危険因子の1つにサポートの不足があるのですが、複雑な家庭環境で育ち、実家に帰りづらい状況だと、困ったときに相談に乗ってもらうことも、助けを求めることもできません。必要なサポートが得られないため、よるべなさや孤独感を感じやすいのです。
また、戻る場所がなく、追い詰められやすいということもあるでしょう。竹内さんは、かつて『私、ちょっと複雑な家庭なんで戻る場所なんてないんです』と語っていたそうです。そういう境遇をバネに頑張ってきたからこそ、トップ女優の座に登り詰めたのでしょうが、裏返せば、弱ったときに戻る場所がないので、追い詰められやすいともいえます。