実業家の堀江貴文氏が引き起こした餃子店との騒動は、収まる気配がない。

 騒動のきっかけは、9月21日に堀江氏が数人引き連れて広島・尾道のある有名餃子店を訪れたが、同行者のうち1人がマスクを着用していないとして、入店を拒否されたことにある。

 堀江氏は、この時の出来事をSNS上で「マジやばいコロナ脳。狂ってる」と投稿。具体的な店名こそ出していないが、ネットで検索すれば簡単に特定できる書き方をしており、堀江氏のシンパやマスク着用に否定的な人たちは堀江氏に同調し、なかには餃子店を批判する向きも多く現れた。

 餃子店を批判する声が高まると、店主はその声に反論するかたちで、堀江氏らが来店した際の防犯カメラ映像などを公開すると共に、堀江氏の主張が事実ではないと主張。同店は新型コロナウイルス感染拡大予防対策として「マスク未着用の方はお断り」という貼り紙をしていたにもかかわらず、堀江氏はマスクを着用しなければならない理由の説明を求めるなどしたことから、入店を拒否したという経緯のようだ。

 その後、餃子店に対する誹謗中傷が相次いだことから、同店は休業を決断。10月3日に店主はブログで「休業のお知らせ」と題した記事を公開。イタズラ電話が殺到したことと、店主の妻が体調不良となったことで、営業が続けられなくなったと説明。

 店舗が休業にまで追い込まれたことから、ネット上では堀江氏に対して「意図的に店に迷惑をかけてるとしか思えない」との指摘が出た。これに堀江氏は「めんどうクセェな。お前らはそんな常識的なことすら俺から言われないと出来ないボンクラなのか?」「当たり前のことを注意されなかったからやっちゃった人がいても俺のせいでないのは明白だろが」と反論。店に迷惑をかけたのは、いたずら電話をかけた人たちであって、自分には非がないと主張した。

 ネット上のトラブルに詳しい弁護士は、一連の騒動について、堀江氏と餃子店それぞれの問題点を指摘する。

「まず、騒動の発端となった当日から見ていきます。堀江氏はマスクをしなければならない理由を店側に説明を求めたということですが、コロナウイルスの感染拡大を防止するための入店ルールとして貼り紙をしているわけですから、マスクをしていない人の入店を拒否するのは、店側として当然に認められる権利です。その際のそれぞれの態度など、双方に言い分はあるかもしれないですが、客が店を自由に選べるのと同様に、店も客を選ぶ権利はあります。

 次に、堀江氏がSNSに書き込んだことについても、店を特定しやすい書き方ではありますが、名誉棄損とまでは言いにくいでしょう。ただ、現場で店主たちと話し合っている際にもスマホを向けて撮影している姿など、一連の流れをみると、その後のネット上での炎上を見越した言動である可能性は高いですね。

 さらに、店側ですが、堀江氏とのやりとりやSNSでの書き込み、その後の誹謗中傷に耐えかねて反論した件には同情しますが、防犯カメラの映像をネットに公開したのはやりすぎかもしれません。

 もっとも問題なのは、店にいたずら電話をかけるなどの迷惑行為を行った人物たちです。義憤に駆られたのか、面白半分なのかはわかりませんが、偽計業務妨害等の犯罪行為です。最近は“電凸”などと言われ、企業などに抗議の電話をすることなどがネット上で話題によく上がりますが、厳に慎むべきです」

 騒動はさらに拡大し、5日放送の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)でこの問題が取り上げられると、コメンテーターとして出演していたタレント・榊原郁恵が、マスクをするのが普通であって、さらに貼り紙に入店時のルールとして書いてあるのに難癖をつけるのはおかしいとして堀江氏の態度を批判。さらに、SNSに書き込んだことについても、店が特定されやすい書き方をしたことを非難しつつ、「堀江さんの浅はかな部分が出ちゃったな」と私見を述べた。

 すると、堀江氏はツイッターで「何も知らないアホがほざいてる感じですね笑」と嘲笑を交えるようにして反論。新たな火種がくすぶり始めている。

 餃子店の店主はブログで、反論が感情的になり言葉遣いが悪かったなどと謝罪しつつ、家族の平穏のために争うことはやめ、騒動が大きくならないことを願うと述べている。一方で、堀江氏の周辺では、落ち着く気配が今のところまだない。

(文=編集部)

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