
現在問題となっている足立区議による“差別発言”に対し、お笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜(37)が彼女らしい見解を述べ、喝采を浴びている。
件の“差別発言”とは、足立区議の白石正輝議員(78)が9月25日に足立区議会定例会の一般質問で述べたもの。少子高齢化問題に触れたなかで白石区議は、LGBTなどのセクシャル・マイノリティについて、「L(レズビアン)であろうとG(ゲイ)であろうと、本人の生き方に干渉しようとは思いませんけれども」と断りを入れつつも、以下のような発言を連発。
「こんなことはあり得ないことですけれど、日本人が全部L、日本人が男が全部G。次の世代生まれますか?(略)次の世代を担う子どもたちが一人も生まれない。本当にこんなことでいいんだろうか」
「LとGについてだけは、もしこれが足立区に完全に広がってしまったら、足立区民いなくなってしまうのは、100年とか200年先の話じゃない」
「子どもを産んで子どもを育てることは経済的社会的に大変かもしれないが、本当に素晴らしいことなんだ。楽しいことなんだ。そのことを教育の場で子どもたちにしっかりと教えないと」
「国会議員が子どもを最低3人は産んでほしいと発言すると、女性蔑視だ、子どもを産むか産まないかは女性の権利なんだとめちゃくちゃに叩かれてしまった」
「LだってGだって法律で守られているじゃないか、なんていうような話になったんでは、足立区は滅んでしまう」
全体を通じ、異性愛のみの称揚、セクシャルマイノリティへの差別的認識がにじみ出ているのは否定しようもないが、そもそも「少子化問題の原因が性的マイノリティの増加にある」といった論は明確に否定されている。ゆえにゆゆしき問題発言だとして、大きな話題となっているわけだ。
近藤春菜、白石区議発言に対し「普通ってなんなの?」「心が傷ついてしまう方もたくさんいらっしゃると思うんです」
朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)は10月6日、この問題を特集。白石区議本人に、発言の真意について直撃取材を行った。
白石区議は、あくまで例え話であったとしつつも、「普通の結婚をして、子どもを産んで育てることが、いかに人間にとって大切なことか。このことを子どもたちに教えなければしょうがないだろうと」などと、再び持論を展開。「あの時に話した話が、決して自分の気持ちのなかで間違っていると思っていない」と、発言の訂正をするつもりはないことを表明した。
これに対して、番組出演者のひとりである近藤春菜が、「LGBTQに対する間違った認識から、こういう発言が出てくるんだな、と思います」と白石区議を一刀両断。
続けて、「白石区議の発言のなかで、『普通』ってよく言われてましたけど、じゃあ『普通ってなんなの?』っていうところと、普通って言われることによって、『あ、自分は普通じゃないんだ』と感じてしまって、心が傷ついてしまう方もたくさんいらっしゃると思うんです」「世のなかに自分のことが言いづらくなったりとか、生きづらいって感じる人が出てきてしまうんですよね」などと、こうした発言が結果としてセクシャルマイノリティ当事者を傷つけ、差別を助長してしまう可能性について言及したのだ。
この発言についてネットでは、「春菜が言いたいこと全部言っててすごいなって思った」「春菜の意見に全面的に賛同する」などと称賛の声が相次いでいる。近藤といえば、今年8月にも同番組で、自身がパートナーがいないことについて番組側にイジられた際、「誰かと付き合ってるから幸せって誰が決めたんですか? 結婚してるから幸せって誰が決めたんですか?」と発言。やはりこちらも称賛を集めた。