ところが、漫画『宇崎ちゃんは遊びたい!』(作・丈、KADOKAWA)の炎上事件(日本赤十字社が献血推進PRで同コンテンツとコラボした際、『ポスターイラストの宇崎ちゃんの胸が大きすぎる』『女性を性的なモノとして蔑視している』などとインターネット上で批判が殺到した)があり、京都赤十字の担当者から「この件からの影響がないとは言えない以上、一度コラボは白紙にさせてほしい」などと一方的な通告を受けて、延期になりました。

 赤十字さんとの案件では印刷所の選定や入稿・納品まで弊社側で行うこととなっており、イラストレーターのスケジュール調整など含め制作準備に入っていたので、突然のキャンセルが痛くなかったかと言うと嘘になります。案件が白紙になったこと自体を弊社の赤月が動画にして、タダでは起きなかったのが唯一の救いでしたが。

 結局その後『宇崎ちゃん』は第2回コラボを実施し、アニメも放映され、我々が飛ばされたのはなんだったのだろうという感じでした。そして、今年の夏前に「ようやくほとぼりが冷めたので」とまた依頼があったのです。

 オファーの内容は「1年ぶりに前回みたいな感じでやっていただけないでしょうか」という感じでした。新型コロナウイルス感染症の蔓延で「血も集まりにくいだろうな」と思っていましたし、弊社としてもなにか社会貢献をしたいと思っていたので、お受けすることになりました。

 当初、「イラストはお任せします」という感じでした。

 イラストを発注する本職の方でもないので、仕様書等が用意してもらえないのは致し方ないところはあるのですが。そしてその時に、「けんけつちゃんを(コラボイラストに)出して」と言われたのです。

 ただ、ひとつ懸念がありました。というのも、以前に秋田赤十字さんとコラボさせて頂いた際、「けんけつちゃんは日本赤十字本社が版権を持っているので、もしイラストに使用する場合は確認作業が手間取るかもしれない」と言われ、けんけつちゃんのイラスト掲載を見送りにしたことがあったためです。

 そこで、京都赤十字の担当者の方に「難しいと聞いていたのですが大丈夫ですか?」と問い合わせたのですが、「大丈夫です」とおっしゃっていただいたので進行することになりました。

「けんけつちゃんはこの表情をしていない」

 相談の結果、うちの赤月がベンチに座り、けんけつちゃんがその横にいて、蝙蝠のむにがけんけつちゃんの耳に掴まっているという構図になりました。そして、ラフを用意させて頂き、京都赤十字さんに送らせて頂いて、「これで進行はいかがですか」と返事を待っていたら、先方から驚きの要望がきたのです。