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江川紹子の「事件ウオッチ」第162回

【日本学術会議“任命拒否”】は安倍前首相が仕掛けた“時限爆弾”? 江川紹子の考察

文=江川紹子/ジャーナリスト
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 安倍前首相の“お友達”や政権サポーターは、それに協力しようと躍起になって、虚実取り混ぜた学術会議叩きを展開している。

 甘利明・元経済再生担当相のブログなどが発信元になって、学術会議を「中国の軍事研究に参加」「千人計画に協力」「反日組織」などと非難する、根拠不明、事実に基づかない情報が、ネットを駆け巡る。一部のテレビ番組でも、事実無根の情報が発信された。何やら、学術会議のイメージを低下させようという動きは活発だ。

 この機に菅政権に売り込みたい政治家なども、これに便乗して、盛んに政府に加勢する発信活動をしている。

 しかし、菅首相自身がインタビューで、学術会議の推薦者リストを見ていないことを明かしてしまった以上、今回の人事のプロセスが透明にならなければ、この問題は終わらない。森友学園を巡る公文書改ざん、「桜を見る会」での「ジャパンライフ」会長などの招待、河井克行・案里夫妻への多額の政党助成金などに加えて、もうひとつ安倍政権からの負の遺産を、菅政権は背負い込むことになる。

 そうした事態を避けるためにも、「誰が」「どのような権限に基づいて」「いかなる理由で」6人を排除する人事が決められたのかを、政府は速やかに明らかにすべきだ。

 それが実現するまで、首相にインタビュー等の機会を得た記者たちは、愚直に同じ問いを発し続けてほしい。

(文=江川紹子/ジャーナリスト)

●江川紹子(えがわ・しょうこ)
東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。著書に『魂の虜囚 オウム事件はなぜ起きたか』『人を助ける仕事』『勇気ってなんだろう』ほか。『「歴史認識」とは何か – 対立の構図を超えて』(著者・大沼保昭)では聞き手を務めている。クラシック音楽への造詣も深い。

江川紹子ジャーナル www.egawashoko.com、twitter:amneris84、Facebook:shokoeg

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