
プロ野球の阪神タイガースに激震が走っている。
9月に糸原健斗内野手ら複数の選手とスタッフの合計9人が新型コロナウイルスに感染したことが明らかとなり、その感染経路として、遠征先でチーム内のルールを破る形で会食が行われていたことが発覚した。
これを受けて、阪神は福留孝介外野手、糸原健斗内野手、岩貞祐太投手、岩崎優投手、江越大賀外野手、小林慶祐投手、木浪聖也内野手、馬場皐輔投手、小川一平投手、浜地真澄投手の選手10人とスタッフ1人の合計11人に制裁金を課したことが発表された。彼らは、内規である「4人以下」「同ポジションを避ける」「2時間以内」などのルールを守らなかったという。
そもそも、阪神は3月に藤浪晋太郎投手ら3選手がプロ野球選手としては初の感染者であることが発覚し、その感染経路が会食であったことが物議を醸した。藤浪投手らの感染を受けて、阪神は活動休止期間を延長するなど対応に追われたが、シーズン中にも感染者が出てしまったことになる。
10月9日には、揚塩健治球団社長が記者会見を開き、シーズン終了後に辞任する意向を発表した。その席で、揚塩社長は「3月に続いて今回、二度にわたって球界全体にご迷惑をかけた事実は否めません」と謝罪し、「まずは遠征における外食は一切、禁止しました。それから、従前から進めている感染予防対策、これについては再度見直し徹底して、ベンチ内でのマスク着用とかロッカールーム内でも必ず着用するなど、今までやってきた対策をさらに徹底して行うように指示しております」などと感染対策の徹底をアピールした。
もちろん、感染者が出たのは阪神だけでなく、特に千葉ロッテマリーンズでは選手とスタッフの合計13人の感染者が出るなど、移動や不特定多数との接触が多いプロ野球選手が感染すること自体は不自然ではない。
一方で、阪神はおろか12球団の中でも最年長の福留選手がルール破りをしていたことに対しては、プロ野球ファンから厳しい声が寄せられている。福留選手は、藤浪選手らの感染を受けて「多大なご迷惑をおかけした」「同じユニホームを着て、同じチームでプレーしている選手として、本当にみなさんに申し訳なかった」などと一選手でありながら異例の謝罪をしたこともあり、「あれはいったい何だったのか」といった声が上がっているのだ。
「チーム内の模範となるべき人間が率先してルールを無視していたことが問題では」
「高額年俸のわりに今年のようなバッティングだったら本当にいらない」
「阪神ファンはもう大山(悠輔)しか見てないから……」
43歳の福留選手の成績は、現時点で43試合、打率.154、1本塁打、12打点。そのうち28試合は代打出場で、代打成績は19打数2安打の打率.105。三振率も大幅に上昇するなど、かつて二度の首位打者に輝いた鋭い打棒はみられない。
「推定年俸1億3000万円ということを考えても、明らかに割りに合わない成績です。加えて、今回の騒動で指導者としての資質にも疑問符がついてしまった。阪神はベテランといえども冷たいことで知られていますから、来季の去就に関して非情な通告をする可能性もあり得るでしょう」(スポーツライター)